社会人が選ぶ“働きたい企業”第1位は？ 転職人気企業ランキング2020＜職種別＞

トヨタ自動車が1位をキープ。トップ10にメーカー4社がランクイン

営業のランキングでは、自動車業界を牽引し続ける「トヨタ自動車」が前年に続き1位となりました。スマートシティ事業を軸としたNTTとの資本業務提携を発表するなど、時代の先を見据えた挑戦が人気につながっていると考えられます。

さらに、「ソニー」（3位）、「キーエンス」（7位）、「パナソニック」（8位）のメーカー各社が10位以内にランクインし、営業職のビジネスパーソンから根強い人気を得ています。

大きな変動はなく、トップ10までが総合ランキングと同じ顔ぶれに

企画・管理のランキングは、1位の「グーグル」と2位の「トヨタ自動車」がわずかな差で入れ替わったものの、前年から大きな順位変動はなく、上位10位も総合ランキングと同じ顔ぶれが並びました。前年の5位から順位を上げた「ソニー」（3位）の投票理由には、「独自性・先進性」「革新的な商品の開発」などの時代を先取りするキーワードが並びます。また、「Apple　Japan」（7位）が前年の12位から順位を上げました。

グーグルが4年連続で1位

技術系（IT・通信）のランキングでは、総合ランキングで2位の「グーグル」が4年連続の1位となり、2位以下を大きく引き離しました。AIやディープラーニングなど最先端の技術を幅広い事業に組み込む同社が、「ITを用いて最先端の研究開発ができそう」などの理由から人気を集めています。

上位は前年と変わらず。自動車メーカーはトヨタ自動車が突出

技術系（電気・電子・機械）のランキングでは、上位8位まで前年と同じ企業が並びます。9位以降には、「三菱重工業」（16位）、「日本電気（NEC）」（17位）、「東日本旅客鉄道（JR東日本）」（18位）の3社が新たにランクインしました。

自動車メーカーでは、「トヨタ自動車」（1位）が2位以下に大差を付けた一方で、「本田技研工業（Honda）」は前年の4位から順位を下げて7位、ほかの企業はランク圏外となるなど、大きく差が開きました。

製薬企業2社が順位アップ。武田薬品は3位に

技術系（メディカル・化学・食品・化粧品）のランキングでは、「武田薬品工業」（7位→3位）と「アステラス製薬」（28位→11位）の製薬企業2社が、いずれも順位を上げました。ともに「将来性があるから」という投票理由が見られ、新薬の研究開発において熾烈（しれつ）な戦いが続くなかで大きな期待が寄せられていることが分かります。

また、前年はランク圏外だった「カゴメ」が9位にランクイン。「味の素」（4位）、「サントリーホールディングス」（12位）を含め、健康食品や特定保健用食品といった健康志向の製品を多く送り出す食品メーカーが転職先として注目されています。

清水建設が前年の10位から2位へと大幅アップ

技術系（建築・土木）のランキングでは、前年の10位から順位を大幅にアップした「清水建設」（2位）を筆頭に、「竹中工務店」（13位→6位）、「大和ハウス工業」（21→9位）の3社が大きく順位を上げ、10位以内にランクインしました。

不動産デベロッパーの「三井不動産」（13位）と「三菱地所」（20位）は、やや順位を下げたものの、前年に続き人気を維持しています。

ソフトバンクが2018年以来のトップ10に

販売・サービスのランキングでは、2018年の10位から2019年は26位へと順位を落としていた「ソフトバンク」が再上昇し、今回は9位とトップ10に舞い戻りました。「時代を切り開いていく力が感じられるから」「ダイナミックな事業活動をしているから」といった声がかなりの割合を占め、同社のチャレンジ精神に魅力を感じた投票者が多かったことが見て取れます。

スマートフォン向け決済サービスを拡大しているグーグルが1位に

金融系専門職のランキングでは、スマートフォン向け決済サービス「Google Pay」で対応範囲を拡大している「グーグル」が、「楽天」（2位）を抜いて1位になりました。ほかにも金融以外の業種の企業がランキングの上位を占めており、業界の垣根を越えた事業開発の波が金融業界のビジネスパーソンからの人気にも影響を与えていることが分かります。

一方で、金融業界（銀行・証券・保険）の企業では、「日本生命保険」（11位）が唯一のランクインとなりました。

小学館と講談社が前年のランク圏外からトップ10にランクイン

クリエイティブのランキングでは、大手出版社の「小学館」（7位）と「講談社」（8位）が前年のランク圏外からランクイン。出版業界では電子書籍の売り上げが伸びており、これがクリエイティブの投票者からの注目を集めた要因の一つとも考えられます。

大手広告代理店の「博報堂」（5位）と「電通」（11位）も、前年に続き上位にランクイン。とくに「博報堂」は前年の29位から大きく順位を上げました。「ものづくりが好きな人にはたまらないと思う」「広告業界があこがれだった」という投票理由が寄せられるなど、デザイナーやクリエイターから根強い人気を集めています。

Appleと資生堂が大幅アップでトップ5入り

事務・アシスタントのランキングでは、「Apple　Japan」が前年の25位から大幅アップの4位に。さらに、＜男女別　女性＞でも7位から4位へと順位を上げた「資生堂」が前年の13位から5位へと順位を大きく上げました。

また、上位20位までの顔ぶれは総合ランキングとおおよそ変わらず、日々の生活に身近な商品やサービスを展開していたり、テレビCMでもよく目にしたりする企業に投票が集まる結果となりました。