
大学職員の志望動機の書き方は?例文・アピールポイントなどを紹介
本記事では、応募書類で大学職員の志望動機を魅力的に伝えるための要素やポイント、具体的な例文を解説します。採用担当者に印象を残す志望動機を作成し、転職を成功させましょう。
志望動機の書き方を詳しく知りたい人は、以下の記事もあわせて参考にしてみてください。
大学職員の志望動機を考えるために知っておきたい主な仕事内容
大学職員の志望動機を書く前に、まず仕事内容を正確に把握することが重要です。大学職員の主な業務は以下のとおりです。
主な業務 | 業務の具体例 |
---|---|
学生支援業務 | 入学手続き、履修指導、奨学金対応、就職支援など 生生活全般のサポート |
教務事務 | 授業の時間割作成、成績管理、試験運営、卒業判定などの 学術関連事務 |
総務・人事業務 | 教職員の労務管理、施設管理、予算管理、広報活動 |
入試運営 | 入学試験の企画・運営、受験生対応、合格発表業務 |
研究支援 | 研究費管理、学会対応、産学連携プロジェクトの事務サポート |
国際交流業務 | 留学生支援、海外大学との連携、国際プログラムの運営 |
図書館業務 | 蔵書管理、利用者対応、学術情報サービスの提供 |
上記はあくまでも一部の例で、具体的な業務内容は大学によって異なります。そのため、応募する大学でどのような業務を担当するか確認し、自分がどのような形で貢献できるか具体的に考えて志望動機を書くことが大切です。
大学職員の志望動機でアピールしたい主なスキル
志望動機を通じて、大学職員として活躍するために活かせるスキルをアピールすることが重要です。具体的なスキルには、以下のようなものがあります。
ここでは、それぞれのスキルがなぜ大切か、転職するときにどのようにアピールするとよいかを紹介します。
事務処理スキル
大学職員の業務の中核を占めるのが事務です。学生の履修登録や成績管理、証明書発行など、細かい事務作業が日常的に発生します。
上記の業務をスムーズに進めるには、Microsoft Office(Word、Excel、PowerPointなど)をはじめとするPCスキルが必要です。あわせて資料を作成するスキルも欠かせません。
前職で事務職の経験がある場合は、具体的な業務内容や件数、効率化の取り組みなどを示すと効果的にアピールできます。また、簿記検定やMOS(Microsoft Office Specialist)などの資格もアピール材料になります。
関連する資格を詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。
ヒューマンスキル
大学職員は学生・教員・保護者など、多くの人々と関わる職種です。例えば学生相談では悩みをていねいに聞き取り、適切にアドバイスすることが求められます。また、教員との連携では円滑なコミュニケーションスキルも必要です。
新入生向けのガイダンスや保護者説明会を担当したり、大学に出入りしている業者とやりとりしたりすることもあります。そのため、ある程度のプレゼンテーションスキルも重要です。
スケジュール管理スキル
大学職員は入試や履修登録、卒業式など、年間を通じて多くのイベントや業務のスケジュールを管理します。特に入試シーズンや新年度がスタートする時期は業務量が多くなるため、優先順位を付けて効率的に作業を進めることが必要です。
決められた時間で教員のスケジュール調整や会議室の予約管理、イベントの企画運営などを済ませなければなりません。
前職でプロジェクト管理などのスケジュール管理スキルが求められる業務を担当していた場合には、そのことを志望動機に盛り込みましょう。
語学スキル
多くの大学で国際化が進んでいて、留学生を多く受け入れたり、海外の大学との連携を強化したりしています。そのため、複数の言語を扱える職員のニーズが高まっています。多言語での資料作成や留学生の窓口対応、海外大学との連携・書類作成、英語での会議や資料読解など、語学力を活かせる場面はさまざまです。
TOEIC 700点以上や英検2級以上のように語学に関係する資格を有している場合や、国外で生活した経験がある場合は、そのことをアピールできるでしょう。
志望動機に簡単なエピソードを含めつつ、自分が扱える言語や異文化コミュニケーションスキルをアピールするのがおすすめです。
大学職員の志望動機に含めたい代表的な4つの要素
効果的な志望動機を作成するには、以下の4つの要素をバランスよく盛り込むことが重要です。
それぞれなぜ大切なのか、どのようなポイントを意識して書くとよいかを紹介します。
志望動機の書き方については、以下の記事で詳しく紹介しています。あわせて参考にしてみてください。
大学職員を目指す理由
数ある業種の中から、大学職員を選んだ明確な理由を示しましょう。ここで意識したいのは、大学職員でなければいけない理由を明確に示すことです。
例えば「教育に携わりたい」という動機は、大学教員や学習塾の講師にも共通します。そのため、志望動機を書くときには、以下のように大学職員を目指す理由を盛り込みましょう。
- 学生の成長を多角的にサポートしたい
- 教育機関の運営を通じて地域貢献したい
まずは大学職員の仕事内容をリサーチして理解し、自分が何を魅力的に感じているか、入職後に経験やスキルをどのように活かせるかを明確にすることが大切です。
応募した大学を選んだ理由
世の中には多くの大学があるため、その中から応募先の大学を選んだ理由を明確に示すことが欠かせません。建学の精神(設立の理念)やアドミッション・ポリシー(学生の受け入れ方針)に共感した点、大学の特色や取り組みに魅力を感じた理由などを具体的に書きましょう。
例えば「少人数教育」「地域密着型の教育」「国際交流に力を入れている」など、その大学ならではの特徴と自分の価値観や経験を関連付けて表現します。
大学の公式Webサイトや資料を詳しく研究し、ほかの大学とは異なるポイントや特に力を入れているポイントに言及するとよいでしょう。
自分の経験やスキルを発揮する方法
これまでの職歴や習得したスキルを、大学職員としてどのように活かせるかを示すことも大切です。スキルを活かせる業務の例には、以下のようなものがあります。
経験業務 | 大学職員として活かせる業務 |
---|---|
事務職 | 学生のサポートや日常的な業務の処理 |
営業職 | 外部とのコミュニケーション |
ITシステム関連 | DX推進による業務効率化 |
志望動機を考えるときには、まず自分の経験・スキルを活用できる具体的な場面を想定します。大学が求める人材の特徴に合致するポイントを盛り込むことが大切です。
今後のキャリアプラン
大学職員としての経験を積みながら、どのような分野で専門性を高めたいか、将来的にどのような役割を担いたいかを示すことも忘れないようにしましょう。キャリアプランに言及することで、入職後の成長意欲や長期的に貢献したいという意欲をアピールできます。
例えば、以下のようにアピールできるでしょう。
- 学生支援のスペシャリストとして成長したい
- 国際交流分野で専門知識を深めたい
- 大学運営の中核を担える人材になりたい
できるだけ具体的に方向性を示すことが大切です。キャリアプランは現実的で、応募先の大学で実現できる内容である必要があります。
応募する大学の組織構造を理解し、目標を実現できる環境であることを確認してから書きましょう。
大学職員の志望動機で評価されるポイント
採用担当者に評価されやすい志望動機を作成するには、以下のポイントを意識することが重要です。
- 自分の経験を交える
- 自分の考えと大学の方針が一致する点に言及する
- 自分の思いを大学職員としてどのように発揮できるか示す
ありきたりな内容ではなく、自分の経験を絡めたオリジナリティがある内容にしましょう。
例えば「学生を支援したい」というだけでは不十分です。しかし「前職で新人研修を担当した経験から、学生一人ひとりに寄り添ったサポートの重要性を実感し、大学職員として学生の成長を支えたい」と表現すれば、具体性と説得力が向上して熱意が伝わります。
「建学の精神に共感した」というのも、それだけでは弱い志望動機です。以下のように、自分の経験や価値観と関連付けることで説得力が増します。
例文
前職でも顧客第一主義を大切にしてきました。貴学の『学生中心の教育』という理念は、私がこれまで大切にしてきた価値観と重なります。
【理由別】大学職員の志望動機の例文(サンプル)
実際の志望動機の書き方を理解するために、ここでは以下のパターンごとに例文を紹介します。
これから志望動機を書こうと考えている人は、例文を参考にしつつ自分の思いをアピールできる内容に仕上げましょう。
参考になる例文をさらにチェックしたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。
教育業界の経験を活かしたい場合の志望動機
例文
私は前職で学習塾の教室運営に5年間従事し、年間200人以上の生徒の学習サポートと進路指導、事務処理を担当してまいりました。個別面談を通じて一人ひとりの目標設定を支援し、前年比+10%である志望校合格率85%を達成した経験があります。
合格者が大学で自分が学びたいことを意欲的に学んでいるを聞くことも多く、学習支援だけではなく、学生の成長を多方面から支える大学職員の仕事に強い関心を持ちました。貴学の「学生一人ひとりを大切にする教育」という方針は私がこれまで意識して取り組んできたことと合致しており、深く共感いたしました。
これまでの経験を活かして学生支援業務に携わりたいと考え、この度応募いたしました。特に就職支援の分野で、学生が自分らしいキャリアを築けるようにサポートしたいと考えております。
この例文では、前職での具体的な実績(年間200人、志望校合格率85%)を数値で示すことで、説得力が高くイメージしやすいものに仕上げています。
また、塾での経験を大学職員の業務にどう活かすかを明確に示し、応募大学の教育方針との関連性にも言及しているのが特徴です。就職支援という具体的な希望分野を示すことで、入職後のイメージが伝わりやすくなっています。
事務職の経験を活かしたい場合の志望動機
例文
前職では営業事務として、日々のデータ入力や請求書処理を正確に遂行するだけでなく、業務フローの改善にも主体的に取り組みました。具体的には、情報共有ツールの導入や業務マニュアルの整備を通じてチームの作業効率を15%向上させ、業務の標準化と属人化の解消に貢献しました。
また、他部署との調整を円滑に行う中で、さまざまな立場の人と協働しながら課題を解決する力も培いました。これらの経験で得た課題解決力・コミュニケーション力・調整力を活かし、貴学の事務業務を正確かつ効率的に遂行することで、履修管理や証明書発行を通じて学生や教員が教育・研究活動に専念できる環境づくりを支えていきたいと考えております。
応募先の仕事内容によっては、事務職の経験を志望動機に盛り込めます。大学職員の業務には、履修管理や成績処理、各種証明書発行といった事務作業が多く含まれるためです。
この場合は、過去に事務職として培ったPCスキルや書類処理のスピード、課題解決の実績などを具体的に示すとよいでしょう。
出身校に貢献したい場合の志望動機
例文
母校である貴学で、これまでの人事経験を活かして学生支援業務全般に携わり、在学生が充実した大学生活を送れるようサポートしたいと思い、応募いたしました。
前職では人事部で新卒採用・経験者採用を5年間担当し、年間平均約50人の内定者フォローや研修を担当していました。採用活動を通じて多くの学生や転職者と接する中で、大学時代の経験が就職活動や社会人生活に与える影響の大きさを実感しました。
特に前職の経験を活かせるキャリア支援に注力したいと考えております。
出身校への愛着を感情的にではなく、具体的な体験談を交えつつ表現しています。前職の人事経験を大学職員の業務にどのような形で活かすかを明確に示しているのも魅力です。
出身校への貢献という個人的な動機だけでなく、それを「学生支援」という業務上の価値に反映させたいという思いが表れています。
未経験の場合の志望動機
例文
前職では製造業の管理部門で経理事務を8年間担当し、予算管理や決算業務、部門間の調整業務を担当していました。15部門のデータを取りまとめる月次決算では、正確性とスピードを両立させることで業務時間を30%短縮し、社内から高い評価を得ました。
また、新システム導入時には全社員200人を対象にした説明会を企画・実施し、円滑な移行を実現した経験があります。
教育業界は未経験ですが、これまでの事務経験と調整能力を活かし、大学の管理・運営業務や学生サポートに貢献したいと考えております。貴学の「地域とともに歩む大学」という理念に共感しており、地域に根差した教育機関の運営を支える職員として成長していきたいと思います。
教育業界未経験というハンデを、他業界での豊富な事務経験でカバーしています。数値を交えた具体的な実績(15部門のデータ、30%短縮、200人を対象)を示し、大学職員に求められる調整能力や企画力をアピールしています。
未経験であることを素直に認めつつ、業務への貢献と成長への意欲を示している点が好印象を与えるでしょう。
大学職員の志望動機によくあるNG例と改善策
志望動機を作成する際に、陥りがちな失敗パターンがいくつかあります。特に注意したいのは以下の2つです。
ここでは、それぞれのNG例と改善方法を詳しく紹介します。志望動機が書き上がって見直すときには、NGなものになっていないかチェックしましょう。
なぜその大学を選んだのか分からない
NG例文
機械製造に興味があり、これまでの業務で培ったハンダ付けのスキルを活かせる貴社の求人に応募いたしました。
この例文は、どこの大学にも当てはまる内容になっており、応募先を選んだ特別な理由が見えません。採用担当者は「なぜ本学を選んだのか」を知りたいと思っています。
そのため、応募先の大学を選んだ理由を明確に示すと良い志望動機になるでしょう。
OK例文
前職で貴社が開発した基板を使用していて、細かい部分まで高い精度で実装されていて、不良率が他社に比べて著しく低いことに感銘を受けました。前職で培ったハンダ付けの経験を活かしつつ、貴社の製造業務に携わることでさらにスキルアップし、より高度な製品を製造できるようになりたいと考えています。
改善したOK例文では、大学の特徴(少人数教育)を具体的に挙げ、自分の経験とどう関連するかを明確に示しています。これにより、なぜ応募先の大学で働きたいと思っているのかが明確に伝わります。
条件面の魅力のみを挙げている
NG例文
貴学は福利厚生が充実しており、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら働ける環境だと感じ、志望いたします。安定した雇用形態も魅力的です。
条件面を理由に転職すること自体は問題ありません。しかし、応募先にも条件面を押し出したアピールをすると「仕事内容への関心が低い」「働く意欲を感じられない」という印象を与えかねません。条件面以外に魅力に感じているポイントをアピールするのがおすすめです。
OK例文
貴学の「先進技術を活かして産業を創出する」という研究の方向性に魅力を感じ、応募いたします。前職で培った事務処理スキルを発揮して業務を遂行しつつスキルアップし、学生により質の高いサービスを提供したいと思います。
改善したOK例文では、条件面ではなくその大学が力を入れている研究内容に言及することで、どこに魅力を感じたのかを明確に示しています。その後、自分のスキルを学生支援に活かしたいことに言及することでポジティブな志望動機に仕上げています。
魅力的な志望動機で大学職員の選考を突破しよう
大学職員の志望動機は、教育への熱意と実務能力の両方をバランスよくアピールすることが重要です。あわせて、大学職員を目指す理由や応募先の大学を選んだ理由を盛り込むことも欠かせません。
これから選考に臨む人は、本記事で紹介したポイントを参考にしつつ、自分の経験とスキルを効果的に伝えましょう。
志望動機の作成に不安がある人や、より客観的なアドバイスが欲しい人は、転職エージェントに相談してみましょう。dodaには教育業界を熟知した経験豊富なキャリアドバイザーが在籍していて、あなたの転職を成功させるサポートを提供しています。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
【経歴】
2022年にパーソルキャリア株式会社に入社し、キャリアアドバイザーとして従事。販売サービス領域・公務員領域を担当しております。一人ひとりのやりがいや強みを引き出し、伴走しながら転職活動をご支援できたらと考えております。
【メッセージ】
より納得感のある転職先を決定するにあたって、企業の実態を知るために、実際に面接に行くことやオファー面談を通して確認することや複数の企業の選考を通して比較検討することが大切だと考えます。ネット情報だけでは確認できないことを知れたり、感じられたりする貴重な機会ですので、まずは積極的に転職活動のスタートができるようご相談ください。
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