転職成功者のさまざまな体験談を紹介!わたしの転職エピソード
リサ/28歳/女性/はじめての転職
クリエイティブ系の仕事を志望して空間ディスプレー会社に就職したリサさん。自分で企画を立て、クライアントに提案して空間をつくっていくことを夢見ていましたが、実際は施工現場の立ち会いばかり。徹夜で現場仕事をしていたある時、ふと「ここで私は何をしているの?」「元々やりたかったことって?」と考えるように。
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忙しさの中でふと我に返った時に見えた、自分にとって大事なもの
——転職を決意した決定的な出来事ってあったんですか?
何か一つの出来事というよりも、積み重ねでしょうか。当時の会社は幅広く空間デザインなどの内装を手掛けていました。店舗のディスプレーもあれば、企業のインテリアデザインもあるし、イベント展示も。それぞれ部署は分かれていて、私自身、さまざまなクライアントとお仕事をさせてもらってきたのですが、やっていることは基本的には同じなんです。
——クライアントが替わっても、仕事内容には変化がないということですか?
そうです。クライアントの要望に沿った形で提案をして、それをデザイナーに伝え、そして現場で職人さんたちにつくりあげてもらう。その基本的な流れは変わりません。加えて現場仕事なので想定外の事態が起きたりして、余裕のないスケジュールになることもたびたびでした。でも店舗のオープン日は決まっているので納期は変えられませんからね。工期終盤になると現場に泊まり込むこともしょっちゅうでしたよ。
——それは大変ですね。なかには厳しいことを言う職人さんもいたでしょうね
「俺も言いたくて言ってるわけじゃないんだけどさぁ」とか職人さんにはずいぶん怒られました(苦笑)。それで、ある現場で徹夜仕事をしている時にふと思ってしまったんです。「私ったら、こんな時間に何をしているんだろう」って。私がやりたかったのは、もっと自分発信で提案すること。でもこれじゃただの調整役でしかない。この繰り返しは、もうイヤだなって思ったんです。
たとえ未知の業界でも、自分から提案ができるプロモーションへの再チャレンジ
——転職を思いついた時、次に行きたい業界はイメージできていましたか?
いいえ。というか、自分にほかの会社や業界で役に立てることがあるのかという不安がいっぱいでした。同業他社ならいくらでもアピールできると思います。ただ、たとえ大手に移れたとしても結局は同じだと思ったので、やはりほかの業界に行きたかった。でも、それは希望であって、やったことのない業界で自分が通用するのか、という悩みは尽きませんでした。
——転職にあたって、これだけは譲れないみたいなことは?
自分がやりたいこととやりたくないことは明確になっていました。具体的に言えば、現場作業よりもお客さまとコミュニケーションをとりながら、自分発信でサービスを提供すること。それだけは譲れないと思っていましたね。
——その思いを貫くことに不安はありませんでしたか?
不安でしたよ。自分がいったいどういう業界の、どういう会社に行けるか…まったくイメージできていませんでしたから。世の中にはどんな仕事があるんだろう?って。そんなレベルだったんです、最初は。
転職活動の中で「つらいから転職したい」が「この仕事をしたいから転職したい」に変化
——今はWeb業界に転身。何か接点はあったのですか?
いえ全然。新卒の就活みたいに業界研究から始めました。そして理解するうちにどんどん興味が増していったんです。例えば以前の会社との違い。空間ディスプレーはどちらかというと、つくってクライアントに引き渡したら終わり。店舗やイベントを訪れるエンドユーザーの反応ってわからなかったんです。でもWebって閲覧数とか結果がすぐに数字で表れますよね。そのフィードバックを元に、また新たな提案ができる。そこに魅力を感じるようになったんです。
——転職活動をする中で、やりたいことが明確になっていったんですね。
正直、はじめは現場の仕事がツラくて辞めたい、という思いがあったのも事実です。でも立ち止まって初心に返り、「現場の仕事じゃなくて、私は何がしたかったんだっけ?」と自分に問いかけ、見つめ直したからこそ興味を持てたのがWeb業界でした。そうするとさらに強く興味をひかれ、本気で仕事をしたいと思うことで、転職が“逃げ”ではなくなったと思います。
——それは新たに強さを持ちましたね。ただ、思いは強まるけど、アピールするWebに関する知識や経験がない、と。
そうなんですよね。だから覚悟を決めました。自分が自慢できるのは、人よりタフなこと。だったら、それを受け入れてくれる会社を探そうって。
転職後、「仕事から逃げているだけでは?」という気持ちは消えていた
——まったく知らないWeb業界へのチャレンジ、事前準備はしっかりと?
それが業界研究はしたものの、それまでの内装業界とWeb業界はあまりにも違いすぎて、面接を受けながら学んでいった感じです。よくあったのが募集要項にあった職種と、面接で言われた職種が違うこと。その職種のことをその場で説明されるのですが、ほとんど理解できませんでした。すると、“理解力がなかったので”という理由で不採用になるという…。そういうことを経験しながら勉強していきましたね。
——そういう苦労を重ねて、今の仕事に就いたわけですね。やりたいと思った仕事はできていますか?
まだ入ったばかりですが、早々にクライアントへの提案をやらせてもらっています。それに、転職活動を始めた時に感じていた、「仕事から逃げているだけでは?」という後ろめたさのような気持ちも消えました。転職を決意した時は大きな不安を抱えていましたけど、自分の気持ちに正直に向き合ってよかったと思っています。
編集後記
やりたいことができると思って入った会社が実はそうではなかった、というのはあり得ること。だから「この仕事はイヤだ」とか「やりたくない」という気持ちをきっかけに転職を考えてもいいんです。大事なのは、イヤなことの対極として「自分は何がやりたいのか?」を見つめ直すこと。その思いを整理して考えることから始めると、新しい仕事との出会いも広がるはずです。
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