Q. 内定が出ても、もっとよい企業があるような気がして転職先を決められません
今よりも給与や労働時間など待遇のよいところへの転職を決意しました。そして、早速受けた企業から内定をもらったのですが、もっと好条件の求人もあるのではと思い内定を辞退。しかし、結局、自分の希望にぴったりの企業もみつからず、転職活動を長引かせてしまう結果に…。転職先を決めるポイントはなんでしょうか?(29歳/男性)
A.転職活動を行う期間を決めましょう。そして、自分の希望条件を満たす企業を複数の選択肢の中から見極められる状態をつくりましょう。
内定をもらった会社に転職すべきかどうかは個別の事情があるので一概には申し上げにくいのですが、決断するラインや条件をあらかじめ考えておくことが大切です。内定をもらってからはじめて決断するラインや条件を考えると、決断できずに先送りをするケースが増える傾向があります。その後も同じことを繰り返しがちになり、やがては優良な選択肢が減っていくことが多く、初期のころに内定をもらった企業のほうがよかった、となりがちです。
そうならないためには、大原則として複数の選択肢を持てるように計画して動くことが大切です。内定を得たときに選択肢が1社しかない場合、その会社だけで入社する/しないを決めなくてはなりません。そうなると「ほかにもっといい会社があるのでは?」という気持ちになり、決断ができない状態になりやすいです。そういう状況に自分を追い込まないように、転職活動では同時に複数の企業に応募、選考を進めるようにしましょう。そのことが、よりよい意思決定の機会をつくることになるからです。
実は早期に内定が出た方が、こういう悩みに陥りがちです。転職活動初期の段階で内定が出ると、「活動を続ければよりよい求人に出会う可能性があるのではないか」と思いやすいからです。「もっとよい会社がありそう」と迷ったときはできる限り求人情報を自分でも調べ、「この会社もよいかもしれない」と思う選択肢を探してみることが大切です。転職活動を続けることは悪いことではありませんが、長引くことで「決断できない状態」になることや「初期のよい選択肢を失う」リスクを抱えることになります。続けるにしても、「いつまでに」という“締め切り”をはっきりと決めておいたほうがいいでしょう。
【要注意】労働契約上の「内定」とは?
本記事内では「企業から採用条件通知書が発行されたタイミング」を内定と呼んでいます。 しかし、労働契約上は採用条件通知書が発行されただけでは「内定」とはなりません。
企業から「採用条件通知書」が送付され、求職者が求人企業に対し、入社日・年収等重要な条件を踏まえ、就業することの意思表示をした状態が労働契約上の内定となります。
ですから、退職交渉の開始や他社選考の辞退は、労働契約が成立してから 行ってください。
dodaエージェントサービスを利用している場合は、キャリアアドバイザーに相談しながら、慎重に進めてください。また、ご自身で企業と直接やり取りしている場合は、エビデンスが残る形で進めていただくのが安全です。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
加賀美 文久
米国CCE国家資格 キャリアコンサルタント
米国CCE,Inc.認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラー
【経歴】
ベンチャー企業の人事リーダーを経て、2006年に現職に入社。dodaキャリアアドバイザーとしてバックオフィス部門、ハイキャリア部門の転職支援をしてきました。その後、管理職として同領域のマネジメントやプロジェクト推進に関わっています。
【メッセージ】
私自身、さまざまな立ち位置で「転職」と関わってきました。転職者の立場、採用する企業の立場、転職支援をする立場。その経験活かして、転職の疑問解決のお手伝いができればと思っています。
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