1.第二新卒での転職活動は新卒何年目にするのがいいの?
「新卒で入社した会社を今すぐにも辞めたいけど、社会人経験が短すぎると転職できないのでは…」と転職活動自体をためらっている人も多いのではないでしょうか。ここでは“入社年次によって転職しやすさに違いはあるのか”“社会人経験が短いことによる企業側の懸念を払しょくするためにはどうしたらいいか”など、転職のタイミングに関するよくある質問に回答していきます。
同じ第二新卒の中でも、転職しやすいのは新卒何年目?
「〇年目が転職しやすい」という答えはありませんが、例えば新卒1年目で退職した人と新卒3年目で退職した人を比べると、後者の方が転職しやすいといえます。事実として、新卒入社後の在籍期間が短すぎると、なかなか書類選考を通過しない傾向があります。その理由のひとつはビジネススキル面です。在籍期間に比例してできる仕事が増えることが一般的なので、同じ第二新卒でも社会人経験が長いほうが評価される傾向があるのです。もうひとつの理由は早期退職への懸念です。あまりに早く新卒で入社した会社を辞めようとしていると、採用担当者に「自社に入社したとしてもすぐに辞めてしまうのでは」というイメージを与えてしまう可能性があります。
社会人経験が短いと転職に不利になる?
一概に「不利になる」とはいえません。在籍年数を問わないスキルや人柄などが評価されれば、社会人経験が短くても転職は可能です。事実、「doda」のエージェントサービスを利用して22~25歳で転職した人の年齢層別の割合を月ごとに示したグラフによると、22~23歳の転職者がどの月にも20%以上存在します。
一方でどの月も25歳の転職者の割合が高く、社会人経験の長さに比例して転職した人の数は増えることが分かります。あなたがもし「新卒で入社した会社を今すぐに辞めたいわけではないけれど、転職するタイミングを確認したい」という気持ちでこの記事を読んでいるのであれば、今の職場で経験を積むことで、転職先の選択肢を増やせることがあることも知っておくとよいでしょう。
▽22~25歳の転職者の年齢層別割合(2016~2018年度平均)
社会人経験が短いことによる、企業からの懸念を払しょくするには?
採用担当者に「今回は早期退職だが、自社に入社後は長く活躍してもらえそうな人材だ」と思わせることが何よりも大切です。新卒で入社した会社の在籍期間が短いと、多くの採用担当者は「自社に入社したとしてもすぐに辞めてしまうのでは」と懸念するでしょう。これを払拭するために重要なのは、書類選考においても面接においても、「仕事に真摯に向き合える人間」であることをていねいにアピールすることです。
職務経歴書には、自分で判断して進めた仕事、自分の判断が評価された仕事について可能な限り具体的に記載しましょう。誰かの指示を待ち、言われた仕事しかしないように見えると、仕事への向き合い方に不安を持たれてしまいます。もちろん、第二新卒の人は社会人経験が浅いため、先輩や上司の指示を受けて仕事を進めることが多いでしょう。そんな中で、自分が主体的に行動し、目的意識を持って業務に取り組んだという事実を示すことができれば、仕事に真摯に向き合える人間であるというポジティブなイメージを与えることができるのです。
採用担当者に納得感を持ってもらえる、転職理由の伝え方は?
早期に会社を辞めざるを得なかったことに対して、自分自身で振り返りをしておき、論理立てて説明できることが大切です。採用担当者は、「自社に入社したときにまた早期で辞めることにならないか」という視点を持って面接をします。会社側の原因、自分側の原因に分けて、具体的な理由を洗い出し、何が変われば次の会社では長く働けるのかを整理しておきましょう。そして、面接では、自分側の原因を改善していることを伝えた上で、希望する環境で前向きに働くためのポジティブな転職であることをしっかりとアピールしてください。間違っても、「最初から辞めるつもりだった」と言ってしまったり、会社に対する不平不満に終始したりしてはいけません。
2.第二新卒での転職活動は何月にするのがいい?
通常の中途採用は一年中、時期を問わず、企業が人材を求めるタイミングで行われています。では、新卒と中途採用の中間ともいえる第二新卒・若手の採用を主目的とした採用活動には活発な時期というものがあるのでしょうか。「doda」のデータを元に分析していきます。
▽月別 転職者1,000人当たりの第二新卒者の人数(2016~2018年度平均)
※ここでいう第二新卒者とは、最終学歴の卒業後(中退含む)、3年以内の人を指しています。
上のグラフは「doda」のエージェントサービスを利用して内定を獲得した人1,000人当たりの、第二新卒者の人数を月別に表したものです。つまり、第二新卒者の内定獲得が増える時期を示したグラフです。まず1年間を通して大きな差はなく、第二新卒が転職しやすい特定の月はないことが分かります。
あえて言うなら、2月、3月に数値が伸びていること。企業側が4月からの新年度の入社を想定して、第二新卒者の採用を強化している現状を読み取ることができます。また、夏から秋にかけても若干、内定者が増える傾向にあるようです。これは、中途採用が10月入社を想定して活発に行われることと、その年の新卒採用が落ち着いたあと、第二新卒者の採用を行うケースがあることが背景として考えられます。9月に内定者の数が落ち込むのは、10月入社の採用が一段落しているからかもしれません。
3.第二新卒が転職活動を始めるベストなタイミングはあるの?
最後に第二新卒の人が転職活動を始めるベストなタイミングについて考えてみましょう。おすすめは、「転職しようと思ったら、転職活動だけは早めに始める」です。
第二新卒の人の場合、程度の差はありますが、入社前に想像していた仕事内容と、実際に任せられる仕事内容のギャップに苦しんで転職を検討し始める人がほとんどです。「モノ作りに携わりたくてメーカーに就職したものの、営業部に配属されて数字を追いかける毎日になってしまった」「華やかそうな業界に就職したものの、実際には残業ばかり」といったものがその代表例。そしてその結果、自分がいったいどんな仕事をしたいのかが分からなくなってしまうのです。
自分の仕事に対する姿勢や仕事をする目的を見直すには、転職活動をしてみるのが一番。自分が所属している環境だけでなく、他社の状況を冷静に見つめ直すことで、自分が本当にしたいことが見つかる可能性は高まります。転職活動を進めていく中でやっぱり今の環境で頑張ってみようと思い直せるのであれば、転職をしなければいいのです。
また、転職市場において第二新卒として扱われる期間は限られています。転職活動のスタートが遅れるほど、ポテンシャル採用という第二新卒ならではのメリットを活かしづらくなっていくのは事実です。キャリアチェンジを考えているならば、転職活動はできるだけ早く始めたほうがいいでしょう。
転職活動をしたからといってキャリアにマイナスになることはありません。今の仕事に満足できないのであれば、まずは求人を探してみたり、転職エージェントに登録してキャリアアドバイザーに相談したりしてみることをおすすめします。悩むだけでなにもしないのではなく、外の世界に向けて行動を起こすことで、自分がよりイキイキと活躍できる職場が見つかるかもしれません。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
加賀美 文久
米国CCE国家資格 キャリアコンサルタント
米国CCE,Inc.認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラー
【経歴】
ベンチャー企業の人事リーダーを経て、2006年に現職に入社。dodaキャリアアドバイザーとしてバックオフィス部門、ハイキャリア部門の転職支援をしてきました。その後、管理職として同領域のマネジメントやプロジェクト推進に関わっています。
【メッセージ】
私自身、さまざまな立ち位置で「転職」と関わってきました。転職者の立場、採用する企業の立場、転職支援をする立場。その経験活かして、転職の疑問解決のお手伝いができればと思っています。
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