履歴書の本人希望記入欄の基本ルールと見本(サンプル)
▼正しい本人希望記入欄の記入例
本人希望記入欄の正しい書き方とポイント
- 絶対条件がない限り「貴社の規定に従います」と書く
- 応募職種が複数ある場合、希望職種を書く
- 選考段階での希望がある場合、謙虚さが伝わるように書く
本人希望記入欄を書くときの注意点
- 勤務条件や待遇については原則として書かない
- 志望動機や自己PRは書かない
- 「特になし」「ありません」と書かない
-
- 【ニーズ別】履歴書テンプレート~ダウンロードしてすぐに使える~
- dodaでは、職種別・アピールポイント別にテンプレートを用意しています。まずは自分に合うフォーマットをダウンロードして、転職活動の軸となる履歴書を1つ作成しておきましょう。
履歴書の本人希望記入欄の正しい書き方
「本人希望記入欄」にはカッコ書きで「特に給料・職種・勤務時間・勤務地・その他についての希望などがあれば記入」などと書かれていることも多く、これを文字通りに捉えると、自分の希望を自由に書いていい欄だと勘違いしてしまいがちです。しかし、書類選考を突破するためという観点で考えると、思いつくままに希望の条件を記入するのは絶対にNG。それでは、本人希望記入欄は何のためにあるのでしょうか。また、どんなことを書くのが適切なのでしょうか。その理由もあわせて紹介します。
本人希望記入欄に書かれたことは絶対条件として捉えられやすい
書類選考の段階では、履歴書の本人希望記入欄は「この希望がかなえられなければ、働くことができない」という強いメッセージを伝える役割を担うケースが多いようです。「本人希望」を「入社条件」という言葉に置き換えると分かりやすいかもしれません。軽い気持ちで書いた「希望」が、企業側に「妥協できない条件」として捉えられ、採用候補から外されることもあります。どうしても譲れない条件があれば伝えることができる欄と理解しましょう。
そもそも、仕事に対する希望や勤務条件は選考が進むなかで変化していくものです。応募当初は「この条件じゃないと入社したくない」と思っていても、面接を通じて採用担当者に会い、応募先の企業のことを理解するうちに、「最初の条件がかなえられなくてもいいからこの会社に入りたい」という気持ちがふくらむこともよくあります。
求人情報を見て履歴書を記入する時点では、応募先の企業の社風や働き方、働いている人のことを何も知らないのが普通です。企業のことを知る機会を狭めないためにも、最初から条件を固めすぎず、柔軟な態度で臨むことが重要です。
「貴社の規定に従います」と書いて面接などですり合わせるのが基本
たとえ勤務条件や待遇に関して希望がある場合でも、「絶対に譲れない」という条件でなければ、本人希望記入欄には書かないことをおすすめします。基本的には「貴社の規定に従います」と記入してください。なぜなら、選考が進んでいくと必ず、人事担当者や面接官と勤務条件や待遇について交渉できる機会があるからです。面接の際などに採用担当者と直接話してすり合わせをするのがいいでしょう。
採用担当者にとって履歴書は応募者を知る最初の手がかりです。まだ選考も進んでいない、内定を出していないにもかかわらず入社後の条件があれこれ書かれていると、自分の都合ばかり押し通そうとする自分勝手な人、条件面ばかり気にして企業を理解しようとしない人と判断され、次の採用ステップに進めないかもしれません。また、記入した条件と採用側の条件が合わない場合も、当然、次のステップには進めなくなる可能性が高まってしまいます。
履歴書は応募者のプロフィールや熱意を端的に伝えるためのものと考えるのが基本です。企業側への要求はこの段階では行わないと覚えておくといいでしょう。
履歴書の本人希望記入欄に書いてよいこと
前段で書いた通り、原則として「貴社の規定に従います」以外は書かないのがベストです。しかし、場合によっては書かなければならないこと、記入したほうがよいこともあります。ここでは、本人希望記入欄に書くとベターなことを、例文とともに紹介します。
複数の職種で募集されていて希望職種がある場合
▼希望職種は求人票に記載されている名称に合わせる
【例文】
事務職を希望いたします。
【解説】
応募先の企業が「営業職」「事務職」といった複数の職種を募集している場合は、自分が希望している職種の名称を書きます。「営業マネジャー」「ルートセールス」など、自分でアレンジして書き換えないよう気をつけましょう。求人票や募集要項に書かれている職種の表記に合わせないと、採用担当者にどの職種を希望しているのかを正確に伝えられません。
絶対に譲れない勤務条件や待遇がある場合
▼勤務地の希望は具体的な理由と地域を記入する
【例文】
母の介護のため、勤務先を東京・神奈川とさせていただければ幸いです。
【解説】
複数の勤務地がある会社では、転勤を命じられる可能性があります。家庭の事情などでどうしても引っ越しをともなう転勤ができない場合、上記のように「母の介護」というような具体的な理由と「希望している勤務地」をはっきり書きましょう。ただし、あくまでも一方的な印象を与えないように書くことが重要です。また、「首都圏」など可能な限り広いエリアを記したほうが、融通がきくことを伝えられます。
▼勤務時間・休暇の希望は具体的な理由と日時を記入する
【例文】
息子の保育園の迎えのため、毎週水曜日は18時に退勤させていただければ幸いです。
【解説】
保育園のお迎え、家族の介護などが理由で勤務時間に制限がある場合、早めに退社したい曜日や退社時刻の希望を具体的に書きます。「夕方までには帰りたい」などとあいまいにすると、企業側がどのように扱えばいいのか迷ってしまいます。また、「〇時以降は残業できません」と断定的に書いてしまうと、謙虚な姿勢が見られないと思われてしまう可能性があります。「採用担当者が読んだらどう思うのか」を意識して、失礼のないように希望を伝えましょう。
働き方の希望はかなう? 不安な場合はキャリアアドバイザーに相談
健康上の理由で就業に関する希望がある場合
▼業務に支障がないことを明記したうえで配慮を願い出る
【例文】
業務に支障はありませんが、腰痛による通院のため、月に一度午前休暇をとらせていただければ幸いです。
【解説】
履歴書に「健康状態欄」がなく、健康上の理由で就業上の配慮を求める場合は、本人希望記入欄に書くという方法があります。持病によって定期的な通院が必要な場合は、その理由と頻度を記入しましょう。健康状態にかかわる記載は、「日常業務を問題なく遂行できるのか」という点の判断材料となる可能性が高いので、業務に支障がないことを明記することがポイントです。
働き方の希望はかなう? 不安な場合はキャリアアドバイザーに相談
連絡方法や退職予定日などの転職活動に関する希望がある場合
▼連絡がつながりにくい時間帯を、理由を添えて記入する
【例文】
現在就業中のため、平日9~17時はお電話に出られない場合があります(12~13時は休憩時間のため、出られる可能性が高いです)。折り返しご連絡いたしますので、恐れ入りますが留守番電話にメッセージを残していただけますと幸いです。
【解説】
面接日の設定などで、採用担当から電話で連絡が来ることもあります。現職の都合で電話に出られない時間帯がある場合、上記のようにつながりにくい時間帯やつながりやすい時間帯を書いておくと親切です。また、応募先の企業の就業時間が9~18時の場合、連絡可能な時間帯を9時よりも前や18時よりもあとに設定すると、採用担当者の負担を増やすことになるので注意が必要です。可能な限り企業側の都合に合わせるのが鉄則と考えて、むやみに時間指定をするのは避けましょう。
▼退職日が決まっている場合に「いつから働けるのか」を明記する
【例文】
退職予定日:2018年9月30日(日)
入社可能日:2018年10月1日(月)より就業可能
【解説】
いつから転職先で勤務できるのかがあらかじめ分かっている場合は、退職予定日や入社可能日を具体的に記入してもいいでしょう。ただし、未確定にもかかわらず記入したり、自分の予想だけで記入したりするのはNGです。採用担当者は履歴書を見て採用のスケジュールを組むこともあり、履歴書の記載通りに退職できなければ、企業側のスケジュールに合わず採用が見送られるケースもあります。退職日が明確でない場合は、書かないほうが無難です。
履歴書の本人希望記入欄に書いてはいけないこと
書類選考を通過するという観点で見たときに、本人希望記入欄に書いてしまうとマイナスに働く可能性が高い内容もあります。代表的な例を紹介するので、しっかりと確認しておきましょう。ポイントは応募先の企業に自分の条件を押し付けないこと、本人希望記入欄の意味を理解することです。
給与・待遇などの希望
給与・待遇などの希望は、書かないように注意しましょう。書類選考の段階から希望年収などを一方的に伝えてしまうと、前述のようにわがままな印象になります。面接のときや内定を獲得したあとに、必ず採用担当者と給与・待遇などについて交渉する場があります。企業から指定がなければ、履歴書では給与や待遇については触れないのが鉄則です。
志望動機や自己PR
本人希望記入欄はフリースペースになっているため、志望動機や自己PRを記入すべきか迷う方もいるかもしれません。しかし「本人希望記入欄」とある以上、ここに希望以外の内容を記入することはNG。採用担当者から、求められていることに対して適切に応えられない人と判断されないためにも、各項目の意味を理解し、自己PRや志望動機はそれぞれ専用の欄に記入しましょう。
「特になし」「ありません」
譲れない条件が特にない場合でも、「特になし」「ありません」などのそっけない表記は避けましょう。やる気がないのではと思われるほか、雑な印象になりますし、いいことはありません。書くことがなにもないからと空欄にするのも、記入漏れがあると思われるためNGです。ここでは、「貴社の規定に従います」の一文を必ず記入しておきましょう。
- doda履歴書作成ツールで履歴書を簡単作成!
- 履歴書を作成する(無料)
- 質問に答えるだけでカンタンに職務経歴書作成ができる!
- レジュメビルダーで書類作成する
- 転職活動のスタートはまずここから
- 会員登録する
こちらもチェック! 書類選考に受かる・採用担当者の目に留まる履歴書の正しい書き方
この記事を監修したキャリアアドバイザー
岩瀬 翔
米国CCE,Inc.認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラー
【経歴】
コンサルティングファームの業務系コンサルタントを経て、現職に入社。dodaのキャリアアドバイザー、新規事業の部門で企業の採用支援も経験し、10年以上転職支援に携わっています。現在は管理職として、幅広い業界・職種の方の転職をサポートしています。
【メッセージ】
企業担当や自社採用の面接官も経験していますので、採用する側の本音を踏まえて、「転職者がどうしたらいいのか分かる」情報を提供します。
- 履歴書・職歴書