海外で働くための就労ビザとは?取得方法や期間について解説
更新日:2024/7/29
海外で働くための就労ビザとは?
就労ビザとは、「就労が認められた在留資格」のことです。一口にビザと言っても、観光ビザ・就労ビザ・ワーキングホリデービザなどいくつもの種類がありますが、海外での就労を目指す場合に留意すべきなのは、長く海外で働くには「就労ビザ」が必要だということです。具体的な種類や名称は国・エリアごとにさまざまですが、基本的には、海外の就職先から内定をもらって雇用条件に合意した後に申請・取得の手続きを進めます。
また、就労ビザは、従事する業務や申請者の経歴などに応じて国・エリアごとに取得条件が異なります。いずれの場合も、就労ビザがない状態で働けば不法就労とみなされてしまう可能性があるので、働きたいと思っている国がある場合は、事前にその国の就労ビザについてしっかりと確認しておくことが大切です。
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海外・アジア12エリアにおける就労ビザの取得条件
海外・アジア12エリアの就労ビザの条件について、現地在住のグローバルキャリアアドバイザーに聞きました。詳しい内容については、各エリアごとのリンク先の記事をチェックしてみてください。なお、条件を満たしていないと絶対に取得ができないというわけではありません。また、申請条件は現地事情により随時変更されることがありますので、最新情報は大使館HPなどをご確認ください。
※2024年7月現在の情報です
海外・アジア各エリアの就労ビザの条件はこちら
シンガポールの就労ビザの取得条件
丸山愛真(まるやま なるみ)
パーソルシンガポール
シンガポール在住3年目。2019年パーソルキャリア新卒入社。
日本にて2年半の新規営業を経験後シンガポール赴任。
現在はシンガポールにて日系企業様のご採用、就労ビザ関連のサポートを行っている。
シンガポールには、シニア・マネージャーレベルや専門職に従事される方に発給されるEmployment Pass(EP:エンプロイメントパス)と、マネジメント・技術職以外の方に発給されるS Pass(Sパス:エスパス)の2種類があります。EPパスの新規発給に関しては、2023年9月からポイント制度「COMPASS」が導入されています。それぞれ就労ビザの取得条件が異なるので、ぜひ下記記事からチェックしてみてください。
シンガポールで働くために必要な就労ビザとは?取得方法・必要書類についても解説
※就労ビザの種類によってさまざまですが、取得条件については最も一般的な就労ビザの取得条件として記載しています。
また、実際にシンガポールで働く人の仕事や生活については、海外・アジアエリアレポート(シンガポール)の記事で現地グローバルキャリアアドバイザーが解説していますので、あわせてご確認ください。
シンガポールに移住して働く人の仕事や生活は?現地グローバルキャリアアドバイザーに聞きました
マレーシアの就労ビザの取得条件
倉川紫音(くらかわ しおん)
パーソルマレーシア
マレーシア在住歴6年、キャリアアドバイザー歴6年。シンガポール、カンボジアでの滞在経験あり。大学卒業後、フリーアナウンサーとして活動。東日本大震災を機に海外へ渡り、飲食店の立ち上げなどに携わった後、海外で人と関わる仕事をしたいと考え、パーソルマレーシアに入社し現職。
マレーシアで最も一般的な就労ビザとして知られているのは、雇用パス(EP:Employment Pass)です。専門職・管理職に就く外国人に発給されるもので、最低月額給与として5,000リンギットが必要になります。配偶者ビザも場合によっては取得可能な場合もあります。詳しい内容は下記記事をチェックしてみてください。
マレーシアで働くために必要な就労ビザとは?取得方法・必要書類についても解説
※就労ビザの種類によってさまざまですが、取得条件については最も一般的な就労ビザの取得条件として記載しています。
また、実際にマレーシアで働く人の仕事や生活については、海外・アジアエリアレポート(マレーシア)の記事で現地グローバルキャリアアドバイザーが解説していますので、あわせてご確認ください。
マレーシアに移住して働く人の仕事や生活は?現地グローバルキャリアアドバイザーに聞きました
タイの就労ビザの取得条件
本多 桃子(ほんだ ももこ)
パーソルタイ
タイ在住歴1年、キャリアアドバイザー歴1年。
2023年4月より現職。タイの日系企業向け人材紹介サービス、日本人のタイ求職サポートに従事。
タイでは、「ノンイミグラントビザ・カテゴリーB」が就労ビザとして一般的なほか、政府が定めた重要産業で就労や起業をする外国人に発行される「スマートビザ」があります。月額固定給与や就業禁止職種に指定されている業種もあるので、詳しくは下記記事で確認してみてください。
タイで働くために必要な就労ビザとは?取得方法・必要書類についても解説
※就労ビザの種類によってさまざまですが、取得条件については最も一般的な就労ビザの取得条件として記載しています。
また、実際にタイで働く人の仕事や生活については、海外・アジアエリアレポート(タイ)の記事で現地グローバルキャリアアドバイザーが解説していますので、あわせてご確認ください。
タイに移住して働く人の仕事や生活は?現地グローバルキャリアアドバイザーに聞きました
ベトナムの就労ビザの取得条件
石川 堅登(いしかわ けんと)
パーソルベトナム
ベトナム在住8年目、キャリアアドバイザー歴7年。 大学時代にアメリカに半年間の留学経験あり。大学卒業後、日本のメーカーで国内営業と海外営業を経て現職。ベトナムジャパンデスクリーダー。
外国人がベトナムで働く際は、ベトナムでの外国人の就労を認める「労働許可証」が必要になります。労働許可取得のための条件は管理者・経営者・専門家・技術者の4種類に分けられており、それぞれ条件が異なります。詳しい内容は下記記事をチェックしてみてください。
ベトナムで働くために必要な就労ビザとは?取得方法・必要書類についても解説
※就労ビザの種類によってさまざまですが、取得条件については最も一般的な就労ビザの取得条件として記載しています。
また、実際にベトナムで働く人の仕事や生活については、海外・アジアエリアレポート(ベトナム)の記事で現地グローバルキャリアアドバイザーが解説していますので、あわせてご確認ください。
ベトナムに移住して働く人の仕事や生活は?現地グローバルキャリアアドバイザーに聞きました
フィリピンの就労ビザの取得条件
山田真史(やまだ まさし)
パーソルフィリピン
留学会社や学校法人で経験を積み、海外就労の夢を叶えるため、パーソルフィリピンに入社。タイ、ベトナム、インドネシアに滞在経験有り。現在は、キャリアアドバイザーとして日本人求職者の就職サポートに従事。
フィリピンで最も一般的な就労ビザは「9G雇用ビザ」で、そのほか日本・ドイツ・米国の3カ国のみに発行される「9Dビザ」や、フィリピン経済特区庁の登録企業で働く外国人に発給される「PEZAビザ」もあります。フィリピン政府から指定されている学歴やスキルなど基本的になく、他国・エリアと比較して取得しやすい国のひとつです。詳細は下記記事をご確認ください。
フィリピンで働くために必要な就労ビザとは?取得方法・必要書類についても解説
※就労ビザの種類によってさまざまですが、取得条件については最も一般的な就労ビザの取得条件として記載しています。
また、実際にフィリピンで働く人の仕事や生活については、海外・アジアエリアレポート(フィリピン)の記事で現地グローバルキャリアアドバイザーが解説していますので、あわせてご確認ください。
フィリピンに移住して働く人の仕事や生活は?現地グローバルキャリアアドバイザーに聞きました
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インドネシアの就労ビザの取得条件
小林 佳代(こばやし かよ)
パーソルインドネシア
インドネシア在住5年。イギリス、アメリカでの在住経験あり。短大卒業後、営業事務を経てインテリアプランナーとして就業。子育てや海外生活を経た後、秘書として4年、大学事務局員として2年就業しインドネシアへ。現在は日本人転職希望者のキャリアアドバイザーを務める。
インドネシアでは、「C312 就労ビザ」が唯一の就労ビザとなります。そのほか、商談や打ち合わせなどを目的とした出張ビザ「D2マルチプルエントリービザ」「シングルエントリービザ」なども存在しています。なお、インドネシアで就労する際は、就労許可と滞在許可がセットで必要になるので注意が必要です。詳細は下記記事をご確認ください。
インドネシアで働くために必要な就労ビザとは?取得方法・必要書類についても解説
※就労ビザの種類によってさまざまですが、取得条件については最も一般的な就労ビザの取得条件として記載しています。
また、実際にインドネシアで働く人の仕事や生活については、海外・アジアエリアレポート(インドネシア)の記事で現地グローバルキャリアアドバイザーが解説していますので、あわせてご確認ください。
インドネシアに移住して働く人の仕事や生活は?現地グローバルキャリアアドバイザーに聞きました
中国の就労ビザの取得条件
川島真実(かわしま まみ)
PERSOLKELLY China
中国在住歴14年、キャリアアドバイザー歴9年。海外留学1年半、海外勤務14年の経験あり。2013年にテンプスタッフ深センに入社し、5年ほど在籍の後、2019年に上海に異動。現在はキャリアアドバイザーとして従事。
中国では「Zビザ」が最も一般的な就労ビザで、基本的に4年生大学卒業以上(または同等の技能や実績があること)、ならびに2年以上の関連実務経験が必要になります。もしこれらを満たしていなくても、Zビザを取得できる方法もあるので、気になる方は下記記事をご確認ください。
中国で働くために必要な就労ビザとは?取得方法・必要書類についても解説
※就労ビザの種類によってさまざまですが、取得条件については最も一般的な就労ビザの取得条件として記載しています。
また、実際に中国で働く人の仕事や生活については、海外・アジアエリアレポート(中国)にて現地グローバルキャリアアドバイザーが解説していますので、あわせてご確認ください。
中国に移住して働く人の仕事や生活は?現地グローバルキャリアアドバイザーに聞きました
台湾の就労ビザの取得条件
宮本 祥史 (みやもと よしふみ)
パーソル台湾
台湾在住歴5年、キャリアアドバイザー歴4年。
日本の大学で中国語を専攻し、卒業後は日本の銀行へ就職し約3年間法人営業として勤務。その後台湾現地採用でパーソル台湾へ入社し、主に製造業の転職サポートを担当。
台湾では180日以上の滞在を前提として発給される就労ビザ「居留ビザ」があります。また、就労ビザのほかに「外僑居留証」が必要となるので注意が必要です。就労ビザの取得条件についても、月収面や一定の実務経験が必要になるので、気になる方は下記記事をチェックしてみてください。
台湾で働くために必要な就労ビザとは?取得方法・必要書類についても解説
※就労ビザの種類によってさまざまですが、取得条件については最も一般的な就労ビザの取得条件として記載しています。
また、実際に台湾で働く人の仕事や生活については、海外・アジアエリアレポート(台湾)の記事で現地グローバルキャリアアドバイザーが解説していますので、あわせてご確認ください。
台湾に移住して働く人の仕事や生活は?現地グローバルキャリアアドバイザーに聞きました
香港の就労ビザの取得条件
山﨑 杏里(やまざき あんり)
パーソル香港
香港在住歴3年10カ月、キャリアアドバイザー歴5年。
大学時代に交換留学で訪米し、卒業後は、日本でキャリアアドバイザーを務めた後、香港へ渡航。2021年にパーソル香港に入社し、現在はコンシューマ領域の日系企業への採用サポートおよびキャリアアドバイザーとして従事。
香港の就労ビザの期限は通常2年です。取得条件にも関連する一定の就業経験(4年制大学卒業以上の場合は3~5年の就業経験など)が必要です。そのほか、短期間で香港入境する際に発給される「短期就労ビザ」もあります。必要書類や就労ビザ取得にあたり注意しておきたいことは下記記事をご確認ください。
香港で働くために必要な就労ビザとは?取得方法・必要書類についても解説
※就労ビザの種類によってさまざまですが、取得条件については最も一般的な就労ビザの取得条件として記載しています。
また、実際に香港で働く人の仕事や生活については、海外・アジアエリアレポート(香港)の記事で現地グローバルキャリアアドバイザーが解説していますので、あわせてご確認ください。
香港に移住して働く人の仕事や生活は?現地グローバルキャリアアドバイザーに聞きました
韓国の就労ビザの取得条件
坂下祥太郎(さかした しょうたろう)
パーソルコリア
韓国在住歴1年11カ月、キャリアアドバイザー歴3年11カ月。韓国(釜山)や中国(広州)などへの留学経験があり、日本の会社で韓国人材の日本就職支援業務に従事後、現職で日本語ネイティブコンサルタントとして従事。
韓国の主な就労ビザとして、専門的な知識や技能を有する外国人に発給される「特定活動ビザ」と、韓国へ駐在する外国人に発給される「駐在ビザ」の2種類があります。それぞれ取得条件は異なるので、韓国での就労ビザ取得方法が気になる方はあわせて下記記事をチェックしてみてください。
韓国で働くために必要な就労ビザとは?取得方法・必要書類についても解説
※就労ビザの種類によってさまざまですが、取得条件については最も一般的な就労ビザの取得条件として記載しています。
実際に韓国で働く人の仕事や生活については、海外・アジアエリアレポート(韓国)にて現地グローバルキャリアアドバイザーが解説していますので、あわせてご確認ください。
韓国に移住して働く人の仕事や生活は?現地グローバルキャリアアドバイザーに聞きました
インドの就労ビザの取得条件
荒井 雅人(あらい まさと)
PERSOLKELLY India
2008年に新卒でパーソルキャリア株式会社へ入社し、日本国内で金融機関出身者やITフリーランサー向けキャリアアドバイザーを経験。副業、フリーランサー向けのサービス立ち上げに従事した後、PERSOLKELLY Indiaへ異動して現職。キャリアアドバイザーとして、転職希望者向けのサポートを行っている。
インドの就労ビザを取得する際には、年間162万5,000ルピー(約292万円)以上の所得が保証される必要があります。とはいえ、就労ビザの取得基準は他国・エリアと比較して厳しくない傾向にあり、日常会話の英語レベルでも就労ビザが発給される可能性があります。詳しくは下記記事をチェックしてみてください。
※1ルピー=1.8円で換算
インドで働くために必要な就労ビザとは?取得方法・必要書類についても解説
※就労ビザの種類によってさまざまですが、取得条件については最も一般的な就労ビザの取得条件として記載しています。
また、実際にインドで働く人の仕事や生活については、海外・アジアエリアレポート(インド)にて現地グローバルキャリアアドバイザーが解説していますので、あわせてご確認ください。 インドに移住して働く人の仕事や生活は?現地グローバルキャリアアドバイザーに聞きました
オーストラリアの就労ビザの取得条件
今田 蓉子(いまだ ようこ)
PERSOLKELLY Australia
オーストラリア在住歴1年。キャリアアドバイザー歴6カ月。アメリカへの留学経験あり。新卒で大手アパレル企業でのリテールオペレーションを3年経験し、外資系IT企業でプロジェクトマネジャーを2年経験した後、現職。
オーストラリアで就労する際に一般的なのが「TSSビザ」です。雇用主(企業)が外国人労働者のスポンサーとなって申請できます。移民局が定めた職業リストに該当する職種でのエントリーが前提で、就労者・雇用主(企業)それぞれ所定の条件があります。詳しい内容は、下記記事からご確認ください。
オーストラリアで働くために必要な就労ビザとは?取得方法・必要書類についても解説
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就労ビザの取得方法は?
就労ビザの取得方法や許可基準は国・エリアによって異なり、現地事情で就労ビザを含む出入国管理制度自体が変更になることもあります。ここでは一般論として、海外で働くための就労ビザを取得する手順について解説します。
1.内定をもらう
就労ビザの取得には、内定をもらっていること、つまり就職先が決定していることが前提となります。つまり、外国人を受け入れる企業は、内定を出す前に相手の外国人が学歴・職務経歴など就労ビザの取得要件を満たしているか確認するため、基本的には「内定をもらう=その国での就労ビザ要件を満たしている」ということになります。
2.必要書類を用意する
取得したい就労ビザの種類によって必要書類はさまざまです。書類の発行に時間がかかるものもありますが、中には、職務経歴書や卒業証明書など、内定の有無に関係なく準備ができる書類もあるため、先んじて集めておきましょう。
3.渡航する
一部の国・エリアでは、就労ビザの受け付けを自国内のみでおこなっていることがあります。その場合は、まずは短期滞在ビザで渡航し、現地で申請をする必要があります。就労ビザとは別に「労働許可(就労許可)」が必要な国・エリアでは、手続きのために渡航・帰国を繰り返す場合もあります。
4.申請する
内定と必要書類がそろったら、各国の大使館・領事館に就労ビザの申請をしましょう。就労ビザ取得の手続きは内定者自身がおこなう場合のほか、内定先の会社が代行してくれたり、現地の専門家に取得を依頼できたりする場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。
就労ビザの取得にかかる期間は?
就労ビザの発給にかかる期間は数日~数カ月と国・エリアによってさまざまなため、転職先と相談しながら余裕をもったスケジュールを組むことをおすすめします。また、就労ビザの申請は却下されてしまう可能性もゼロではなく、申請条件については常に最新の情報を確認しておくことが大切です。
自分の経歴で働きたい国の就労ビザを取得できるか悩んだらキャリアアドバイザーへ相談
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