やりたい仕事やキャリアアップを目指す「ポジティブ転職」の傾向は依然として高い

8つの業種の中で、「ほかにやりたい仕事がある」が1位にランクインしたのは前回から1つ減って6業種、残り2業種の「メーカー」と「メディカル」は、「会社の将来性が不安」が1位という結果でした。しかし、「メーカー」ではこの割合が、2013年上半期から継続して下がり続けており、今回の結果も前回比マイナス1.3ptの13.6％となりました。また、2位の「ほかにやりたい仕事がある」との差がこれまでで最も小さくなったことや、さらに前回7位だった「業界の先行きが不安」がマイナス0.5ptで順位も1つ落とすなど、「メーカー」でも不安を背景とした転職が減少傾向にあることが分かります。また、「メディア」「小売・外食」「サービス」の3業種では、前回は10位圏外だった「市場価値を上げたい」という転職理由が新たにランクインしました。このように、やりたい仕事や新たなキャリアアップの場を求めて転職活動に踏み出す人は今回の調査でも多く見られ、「ポジティブ転職」の傾向は依然として高いことが分かりました。

「金融」は、前回8位だった「ノルマが厳しい」がプラス3.4ptの6.7%で、2位に順位を上げています。反対に、前回2位だった「会社の将来性が不安」はマイナス1.6ptの5.4%で、今回は4位まで順位を落としています。M&Aやグローバル展開を推進する企業が増え、新しいマーケットの開拓なども進んだ金融では、業界全体の活性化が図られた一方で、現場の負担が高まるという結果につながったのかもしれません。

一方で、「メディカル」は前回２位だった「会社の将来性が不安」がプラス3.7ptで1位になり、反対に1位だった「ほかにやりたい仕事がある」はマイナス4.1ptで2位になるなど、1位と2位で順位が入れ替わる結果となりました。さらに、前回14位だった「業界の先行きが不安」もプラス1.0ptで7位にランクインしており、不安を背景とする転職理由が増加しています。この業界では事業の分割や再統合といった動きが進んだことと、さらに製薬会社では内資・外資系を問わず、企業が早期退職を募り始める動きが多く見られたため、業界全体への不安感が高まった結果と言えるでしょう。