履歴書への押印とは?なぜ必要?
そもそも履歴書への押印は「本人が記入した」ことを証明するためのものです。しかし公式には、履歴書への押印はあってもなくてもよいとされています。1997年に定められた「押印見直しガイドライン」で、「押印を求める必要性や実質的意義が乏しく、押印を廃止しても支障のないものは廃止し、記名のみでよいこととする」書類のひとつに履歴書が挙げられているからです。現在、市販されている履歴書には押印欄があるものとないものの2種類がありますが、どちらの履歴書を選んでも選考には影響しないことを覚えておきましょう。
▼押印欄がある履歴書とない履歴書
押印欄がある履歴書
押印欄がない履歴書
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履歴書への押印が必要な場合と不要な場合
たとえ、「押印見直しガイドライン」で押印が不要な書類とされていたとしても、履歴書の形式や応募する企業によっては押印が必要となる場合もあります。ここでは履歴書の押印についての基本的な判断基準を紹介します。
【押印が必要】履歴書に押印欄がある場合
履歴書に押印欄があるときは、必ずハンコを押してください。押印欄があるにもかかわらず、押印をしていないと、不備のある書類を提出したとみなされ、書類選考でマイナス評価につながる可能性があるのです。履歴書は抜け・漏れなく、すべての欄を埋めて提出するのが鉄則です。
▼履歴書に押印欄があるときは必ず押印する
【押印が必要】企業から押印を求められた場合
応募企業から履歴書に押印するよう指示されたときは、履歴書に押印欄がなくても押印しなければなりません。押印欄がない場合は、履歴書の氏名欄に記入した名前の右横に印鑑を押しましょう。印鑑が名前と重なったり欄外にはみ出たりしないよう、押印するスペースを考慮して名前を記入してください。
▼応募先の企業から指示されたときは押印欄がなくても押印する
【押印が不要】履歴書に押印欄がなく企業が求めていない場合
履歴書に押印欄がなく、応募先の企業からも求められていない場合は、押印する必要はありません。「押印したほうが、印象がいいのでは」と考えるかもしれませんが、押印を求められていないケースで、その有無が選考の評価に影響することはまずありません。あえて押印欄がある履歴書を用意する必要もないと覚えておきましょう。
逆にいえば、押印欄のない履歴書に印鑑を押しても問題はありません。大切なのは、欄があるとき・求められたときには必ず押すこと。それ以外の場合に印鑑の有無が選考に影響することはないと考えていいでしょう。欄がないのに印鑑を押してしまったという場合も、わざわざ書き直す必要はありません。
履歴書に押す印鑑の選び方
履歴書の押印には「認め印」を使いましょう。認め印とは朱肉を使うタイプの印鑑で、役所に届け出ていない未登録の印鑑のことです。文具店などにある、朱肉を使うタイプの印鑑を役所等に登録せずに使えば、それが認め印になります。
インクが内蔵されたスタンプ式の印鑑は避けたほうがいいでしょう。朱肉が不要で手軽に使えるというメリットがありますが、ビジネス文書に用いる印鑑としてはふさわしくありません。採用担当者に「ビジネス上の書類という意識が足りない」と見なされてしまいます。履歴書には、朱肉を使うタイプの印鑑が適切と覚えておきましょう。
朱肉を使うタイプの印鑑には認め印のほかに実印などもあります。実印は市区町村に印影を登録している印鑑です。実印を履歴書に使ったからといって問題にはなりませんが、使用はおすすめしません。実印は不動産や保険の契約書などのより重要な書類に使うのが一般的。履歴書に使うとやや大げさに受け取られます。よい印象を持たれない場合もあるので、避けたほうが無難でしょう。
正しい押印とNGな押印
正しい押印とは、にじみやかすれがなく、所定の位置に、真っすぐに押してある状態のこと。ぱっと見たときに違和感がなく、文字がはっきり読めることが重要です。押印欄がある場合は欄の中央に押します。
▼正しい押印の例
▼NGな押印の例
知っておきたい上手な押印のコツ
上手に押印するにはいくつかのコツがあります。コツが分かったら、本番の履歴書に押す前に別の紙で練習をしてみましょう。力の入れ具合や文字の位置、印鑑につける朱肉の適切な量などを把握できます。
それでも心配な人は、履歴書の各項目を記入する前に押印を済ませておいてもよいでしょう。せっかくすべてを書き上げた履歴書が、最後の押印で台無しになるという事態を回避することができます。以下の上手な押印の手順を参考に、失敗のないキレイな押印を目指してください。
▼ステップ1:ズレを防ぐために押印マットを用意する
▼ステップ2:履歴書の押印欄の下に押印マットを敷く
▼ステップ3:かすれを防ぐため、朱肉が減ったり乾燥したりしていないかを確認する
▼ステップ4:印鑑の文字部分全体に朱肉をまんべんなくつける
▼ステップ5:印鑑の文字部分を見て上下を確認する
▼ステップ6:片方の手で履歴書を押さえながら印鑑を垂直に下ろす
▼ステップ7:印鑑を強く押さえつけず、静かに置いて離す
▼ステップ8:インクが履歴書について汚れないよう、乾くまで待つ
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
岩瀬 翔
米国CCE,Inc.認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラー
【経歴】
コンサルティングファームの業務系コンサルタントを経て、現職に入社。dodaのキャリアアドバイザー、新規事業の部門で企業の採用支援も経験し、10年以上転職支援に携わっています。現在は管理職として、幅広い業界・職種の方の転職をサポートしています。
【メッセージ】
企業担当や自社採用の面接官も経験していますので、採用する側の本音を踏まえて、「転職者がどうしたらいいのか分かる」情報を提供します。
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