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転職の面接で希望(勤務地や年収など)や他社の選考状況を聞かれたら?

転職の面接で希望(年収・勤務地・残業)や他社の選考状況などを聞かれた場合の答え方のポイントや回答例文を紹介します。面接官は何を知りたくてその質問をしているのか、裏にある意図を知り、回答例文を参考にしっかりと面接対策をして本番に臨みましょう。

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1.「勤務地についての希望はありますか?」への答え方と例文

面接官が「勤務地についての希望」を聞く理由

この質問は、勤務地の候補が複数ある場合によく聞かれます。転勤の可能性がある企業では、「転勤はできますか?」といった質問をされる場合もあります。
面接官が勤務地や転勤に関する質問をするのは下記の理由が考えられます。

  • 本人の希望と企業の事情がすり合うかどうかを確認するため
  • もし採用する場合、どの勤務地に配属するのがよいかを検討するため

本人の希望と企業の事情がすり合うかどうかを確認するため

求職者本人の希望と企業の事情がすり合わない場合、仮に採用になったとしても、長く勤めることができなくなるかもしれません。
例えば、転勤に応じることができない求職者と、2~3年に1回のペースで転勤があるような企業では、ミスマッチになる可能性が高いでしょう。こうした入社後のミスマッチを防ぐためにも、本人の希望と企業の事情をすり合わせようと質問をしています。

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もし採用する場合、どの勤務地に配属するのがよいかを検討するため

勤務地に関する質問をするもう一つの理由は、配属先を検討する材料にするためです。同じ企業内でも、拠点によって組織構成や、採用枠数、組織風土などが異なっている場合があります。求職者の希望勤務地を確認しつつ、求職者にフィットしそうな配属先はどこかを検討しています。

例えば、ベテランがいて育成に余力のある拠点に配属したほうがよいか、同年代の社員が多い拠点に配属したほうがよいかなどの本人の適性を考えつつ、本人の希望勤務地と合う場所はどこかを考えるために質問をしています。

「勤務地についての希望」を聞かれたときの答え方のポイント

「勤務地についての希望」を聞かれた場合の答え方のポイントは以下の3つが挙げられます。これらは、転勤に関する質問をされた場合も同様です。

  • 希望は本音で答えてOKだが、希望と併せて理由を伝えること
  • 事前に企業情報を確認しておくことも重要
  • 将来のことが分からなければ「現時点では」と前置きして伝える

希望は本音で答えてOKだが、希望と併せて理由を伝えること

勤務地や転勤に関する希望があるのであれば、無理に取り繕わず、本音で答えて問題ありません。その際、一方的に希望を伝えるのではなく、そう希望する理由をセットで伝えることで、面接官に納得感を持ってもらえたり、その希望をかなえるための別の提案をしてもらえたりすることもあります。どうしても勤務地について譲れない事情があるのであれば、きちんと事情を説明しましょう。

事前に企業情報を確認しておくことも重要

質問に備えて、事前に企業情報を確認しておくことも重要です。企業HPや求人票を見て、「拠点がある地域」や「転勤の有無」について確認し、自分の希望を整理しておきましょう。

また、求人票に「転勤あり」と記載があっても、転勤の実態は企業によってさまざまです。2~3年に1回のペースで転勤がある企業もあれば、ほとんど転勤がない企業もあります。どれくらいの頻度や期間で、どこのエリアであれば、転勤を許容できそうか事前に考えておくとよいでしょう。

転勤の詳細を知りたい場合は、人事や現場との面接内で実態を確認してみるのもよいでしょう。転勤に関する実態を確認できるだけでなく、入社後のミスマッチを減らすことができます。

逆質問の例)求人票に「転勤あり」と記載があったのですが、実際はどれくらいの頻度で転勤になっている方が多いでしょうか? また、御社は海外にも拠点があるかと思いますが海外への転勤の可能性もありますでしょうか?

※ただし、企業側も将来の転勤頻度や場所について確実なことを伝えることはできないので、あくまで参考例として確認するようにしましょう。

将来のことが分からなければ「現時点では」と前置きして伝える

将来のことについて想像することが難しい場合には、「今後、事情が変わる可能性もありますが現状は~」と現時点での希望を伝えるようにしましょう。

<回答例文> 転勤に対して柔軟に対応できる場合

東京、神奈川など首都圏での勤務を希望します。理由としては、自宅が都内にあり、妻の通勤や子どもの通学があるため、現時点では自宅からの通勤圏での勤務を希望するからです。
ただ、御社の拠点が全国6カ所にあることについては認識をしておりますので、将来の他拠点への転勤については、家族とも相談をし、状況に応じて検討させてください。

<回答例文> 転勤ができない事情がある場合

東京、神奈川など首都圏での勤務を希望します。現在、近くに住む両親の介護をしているため、自宅から通える距離を希望するからです。介護サービスの活用もしていますが、現時点では首都圏から動くことは難しく、転勤も応じることができない状況です。

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2.「現在の年収、希望の年収はどれくらいでしょうか?」への答え方と例文

「年収」は、雇用契約を結ぶ上で最も重要な条件の一つです。今の自分のキャリアやスキル、入社後の貢献度を踏まえて答えましょう。

面接官が「現年収や希望年収」を聞く理由

面接官が現年収(離職中の場合は前職の年収)や希望年収を聞く理由は、社内の給与テーブルなどと照らし合わせ、どれくらいの年収を提示できそうか検討しているためです。また、提示可能な年収と、希望年収に大きな差がないかを確認し、今後の選考を進めて問題ないかを判断しています。

希望年収を聞かれると、希望を高く伝えるほうが得だと思う人もいるかもしれませんが、実はそうではありません。提示される給与は、多くの場合、現年収や、面接内で確認したこれまでの経験・スキル、社内の給与テーブルを基に算出されます。
そのため、希望年収と、企業が想定している提示年収に大きな差があると、面接官に疑念を抱かせることもあるため注意が必要です。

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転職活動で嘘の年収を言ってしまったらまずい?

提示される給与には現年収も考慮される、と聞くと少しでも高く伝えておこうと思う人もいるかもしれませんが、虚偽の年収を伝えるのはよくありません。 入社前や入社後に源泉徴収票の提出を求められることも多く、源泉徴収票を見れば、伝えていた年収と実際の年収に乖離があることが分かってしまいます。その場合、内定取り消しや解雇を含む懲罰なども考えられます。
面接前には、源泉徴収票を確認するなど自分のおおよその年収を把握しておき、実態に即した金額を伝えましょう。

「現年収や希望年収」を聞かれたときの答え方のポイント

現年収(離職中の場合は前職の年収)を聞かれた場合は、正直に答えましょう。事前に源泉徴収票を確認しておくとよいでしょう。給与は、基本給・残業代・ボーナス・手当などを確認しておくようにしましょう。

希望年収を聞かれた場合は、その金額を希望する理由や根拠を添えて伝えましょう。特に、希望年収と現年収に隔たりがある場合は、面接官に納得感を持ってもらえるかが重要なポイントです。どのような伝え方をすれば、納得感を持ってもらえるか悩む場合は、キャリアアドバイザーに相談してみましょう。

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<回答例文>

現在は残業代込みで約400万円です。うち、残業代が60万円くらいを占めています。今回の転職を考えたきっかけが「本来の開発業務を圧迫するほど兼務が増えたので、残業・休日出勤を是正したい」ということですので、実質ダウンはやむを得ないと考えています。

※残業時間やワーク・ライフ・バランスを転職理由として話した場合は、残業代を含む年収をキープしようとすると矛盾が発生しやすいので注意しましょう。

<回答例文>

現在は、残業代込みで年収約450万円です。現在、家のローンを支払っているため、現年収よりも下がるのは厳しく、現状と同じく450万円以上を希望します。

3.「残業や休日出勤に対応可能ですか?」への答え方と例文

面接の中で「残業や休日出勤への対応」について聞かれることがあります。「働き方改革」の推進により、残業や休日出勤が恒常的にあるので、それに対応できるかという意図の質問は考えにくいのですが、「繁忙期や閑散期でこれくらいの残業がありますが、大丈夫でしょうか」といった質問や、「代休取得を前提とした休日出勤」がある企業では休日出勤に対応可能かの質問があります。

面接官が「残業や休日出勤について」聞く理由

これは、入社後に考えられる働き方について事前に伝えることで、入社後のギャップを減らし、長く働いてもらうための確認として聞いています。

「残業や休日出勤について」を聞かれたときの答え方のポイント

残業や休日出勤の質問に対しては、自分自身の希望や考えを本音で答えましょう。
残業や休日出勤が難しい事情がある場合は、その理由を添えて本音を伝えることで、入社後の働き方に関するトラブルのリスクを減らせる可能性が高くなります。

しかし、残業や休日出勤をまったく受け入れることができないといった姿勢を見せてしまうことは、面接官の印象として好ましいものではありませんので、注意が必要です。

また、この質問がされない場合には、求職者から、「繁忙期や閑散期はあるか、残業はだいたいどれくらいか、休日出勤の可能性はあるか、その場合の代休はきちんと取れているか」などと確認することも問題ありません。
長く勤めるためにも、本音を伝えつつ、企業の実態とすり合わせをすることがポイントです。

<回答例文>

現在の職場でも、平均して20~30時間程度の残業を毎月しており、問題もございません。また、時期による業務量の増減があることも認識をしておりますので、繁忙期には残業が増えることは想定しております。

<回答例文>

休日出勤が必要な場合は、前もって家族と相談をすれば対応が可能です。しかし、頻度が多過ぎると相談が難しい可能性もあるので、年間で何日くらいの休日出勤が発生する予定かを伺ってもよろしいでしょうか?

4.「入社可能な時期はいつですか?」への答え方と例文

面接官が「入社可能な時期」を聞く理由

この質問は、「企業が入社してほしい時期」と「本人の入社可能時期」との間に大きなずれがないかを確認するためのものです。中途採用において、「入社時期が合うか」は、採用の合否を決める上でも重要な項目の一つです。もし事情が折り合わない場合、どれだけ経歴やスキルなどが高く評価された求職者であっても、採用を見送られるケースがあります。

「入社可能な時期」を聞かれたときの答え方のポイント

中途採用の場合、少しでも早く入社してほしいと考える企業が多く、入社可能な最短日程を伝えると印象が良いでしょう。しかし、在職中であれば、引き継ぎなどの退職準備期間が必要だということも認識しているため、内定後から1~2ヵ月以内の入社であれば許容範囲内であることが一般的です。

離職中や退職日が決まっている際は、入社可能な日程を具体的に伝え、退職日が決まっていない場合は、内定後〇ヵ月と幅を持たせて答えるようにしましょう。退職日が決まっていないのに、具体的な日付を伝えてしまうと、選考が長引いた場合などに、伝えていた日程では退職交渉が完了しないなどのトラブルになることもあります。

入社時期の目安としては、内定後、1~2ヵ月。それ以上空くと、企業ともすり合わなくなる可能性が高くなります。企業が希望する入社日と、現実的に入社可能な時期の認識を合わせるようにしましょう。

<回答例文>

9月末で退職予定ですが、10月は引っ越しなどの予定があり、11月の入社を希望します。

<回答例文>

今の会社の就業規則ですと「退職は1カ月前までに意思表示」となっていますが、ちょうど年度替わりで後任の選定を考えると内定を頂いた2カ月後あたりと考えています。

5.「他社の選考状況はいかがですか?」への答え方と例文

面接官が「他社の選考状況」を聞く理由

面接官が、他社の選考状況を尋ねる理由は以下のとおりです。

  • 転職の軸や志向を確認するため
  • 志望度の高さや選考スケジュールの確認をするため

転職の軸や志向を確認するため

ほかにどのような企業を受けているのかを確認することで、どんな企業に興味があるのか、志望動機との整合性に問題がないか、転職活動において何を大事にしているかなど、求職者について多角的な視点で、転職の軸や志向を確認しています。例えば『業界はバラバラでも〇〇の仕事に挑戦できる企業』といった共通点や軸があるのかどうかなどについて確認しています。

志望度の高さや選考スケジュールの確認をするため

他社の選考状況から、志望度の高さや選考スケジュールの確認をする意図もあります。例えば、「〇〇の業界に行きたい」と志望動機を話した人が、その業界の企業をほかに受けていない場合、「実はそれほど志望度は高くないのではないか?」と思われてしまう可能性もあります。

他社の選考状況を聞かれると、面接中の企業への本気度を示すために「御社しか受けていません」と回答したくなるかもしれませんが、同業他社を複数受けることは転職活動として一般的ですし、きちんと転職の軸に沿って転職活動をしていることを裏付けられるため、複数の企業を受けていることは正直に伝えて問題ありません。

また、複数の企業を同時に受けている場合、選考のスピードが合うかを確認しています。他社の選考スピードを考えて、早めに合否を出したり、次の面接の日程を早めるなど工夫したりしたほうがよいかなどの参考にしています。

「他社の選考状況」を聞かれたときの答え方のポイント

具体的な社名まで伝える必要はなく、どんな業界や職種を何社くらい受けているかを伝えましょう。「今まで〇社くらい落ちた」などの選考結果の情報は、わざわざ伝える必要はありません。

<回答例文>

御社と同じハウスメーカーをほかに5社受けています。
最終面接に進んでいるのが1社、1次面接を予定している企業が3社です。
ほかに、書類選考中の企業が1社あります。

6.「内定を出したらご入社いただけますか?」への答え方と例文

「複数の企業から内定が出た場合にはどのようにされますか?」のように、内定後の対応について質問されるケースがあります。これは「入社意欲」の確認となりますので、基本的には前向きな回答をするようにしましょう。

面接官が「内定を出したら入社してもらえるか」を聞く理由

このような質問の意図としては、言葉どおり「内定を出したら入社してもらえる可能性はどのくらいあるか」といった入社意欲を確認したいというストレートなものです。

「内定を出したら入社してもらえるか」と聞かれたときの答え方のポイント

この質問では、「入社に対する熱意」を確認されているため、聞かれた場合は前向きな回答が望ましいです。しかし、具体的な雇用条件などを確認せずに、入社を断言することは避けましょう。
ほかに志望度の高い企業が出てくる場合や、提示された給与と折り合いがつかないといった可能性もあるため、言い切ることが後のトラブルになるリスクとなります。

<回答例文>

ぜひ前向きに検討させていただきたいです。内定して初めてお聞かせいただける条件などもあるのではないかと思いますので、その際に細かい点を確認させていただけるとありがたいです。

7.希望をうまく伝えたいならキャリアアドバイザーに相談しよう

勤務地や給与などの希望に関する質問をされた場合には、自分自身の本音を伝えつつ、企業の事情とうまくすり合わせをすることが重要です。もし、自分の希望や本音を伝え切れないまま内定、入社と進んでしまうと、働いているうちに不満につながったり、ミスマッチを感じることが出てきたりするかもしれません。

勤務地や給与など込み入った希望条件について、うまく伝える自信がない場合には、転職エージェントを活用した転職活動がおすすめです。転職エージェントサービスを活用するメリットには次のようなものがあります。

  • 面接官の納得感を得られる答え方のアドバイスがもらえる
  • 直接は言いにくい本音を、エージェントを通し、伝えることができる

これまで述べてきたように、勤務地や給与など希望に関する質問をされた際、正直に希望を伝えてよいのですが、なぜそう希望するのかという背景や事情をうまく伝えないと面接官の納得感が得られないこともあります。こうした事態を避けるため、どのように答えると失礼な印象になったり、入社意欲を誤解されたりせず誠実に回答できるのか、キャリアアドバイザーに客観的なアドバイスをもらいましょう。

また、ご自身では伝えにくい本音も、キャリアアドバイザーや企業の営業担当を通して、企業へさりげなく伝えるなど転職活動をサポートいたします。 エージェントサービスを活用して、納得感のある転職活動をしましょう。

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