面接で自己PRを求められたら?正しい答え方と回答例文
面接官が自己PRを求める理由
面接官は、面接を通じて応募者が「自社で活躍してくれるかどうか」「長く働いてくれるかどうか」を知りたいと考えています。そのためによく聞かれるのが自己PR。面接官が自己PRを求めるのには、次の理由があります。
会社が求めるスキルや経験を持っているか見るため
面接官は自己PRを通して、応募者が会社の求めるスキルや経験を持っているのか判断しようと考えています。面接前の企業研究で、会社や応募するポジションで重視される要素や能力について事前に把握し、自分のスキルや経験が「応募先でも再現できそうだ」と判断してもらえるような自己PRを伝える必要があります。
自己分析できているか確認するため
面接官は自己PRを通じて、応募者が自己分析をしっかりと行った結果、どのような点を自分のアピールするべき強みとして捉えたのかを判断します。そのため、面接前に自分のキャリアをしっかりと振り返り、経験や身につけたスキルを整理しておくことが大切です。ただし、伝えたいことをそのまま伝えるのではなく、それが「応募先に活かせるかどうか」という観点も忘れないようにしましょう。
面接での自己PRの正しい答え方
転職時の面接では、自己PRで自分を採用するメリットを伝えることが大切です。活躍できる人材である具体的な根拠を示し、面接官に納得感を与えて評価されるように、次の構成で答えるとよいでしょう。
1.今までの職務内容
今までの簡単な職務経歴と、具体的な仕事の内容や実際に携わってきたプロジェクトなどについて説明しましょう。ただし、職務内容が多岐にわたるときは、この後に話す特に打ち出したい自分の強みと関連のあるものだけを選び、話が冗長にならないように注意します。
2.自分の強み・テーマ
面接で伝えるべき「強み」とは、社会人になり身につけてきたスキルや経験の中で、応募先の企業で活かせるもののことを指します。面接で強みとしてアピールできるスキルは大きく2種類。マネジメント力や課題解決力のような「会社・職種を問わず活かせるスキル」と特定の業種や職種に役立つ「専門的なスキル」です。また、どちらも応募先で活かせるほどのスキルがないという人は「ヒューマンスキル」をアピールする方法もあります。
3.強みを裏付けるエピソード・実績
自身の強みを裏付ける具体的なエピソードや実績を話します。「売り上げを〇%上げた」のように、あなたの仕事や会社を知らない人でも分かるような表現で、なおかつ、数字を使って説明するのがおすすめです。また、転職活動の面接では、学生時代のエピソードではなく、なるべく社会人になってから仕事で培ったものを選ぶことをおすすめします。
4.経験・スキルをどう活かせるか
強みの裏付けを説明した後で、強みを活かして企業にどう貢献していくのか伝えます。いくら強みをアピールしても、応募先の職種の業務に活かせることや活躍できる人材であることが説明できなければ、独りよがりなものになってしまうでしょう。
面接で自己PRするときのポイント
面接で自己PRをするときは、企業や職種に合った内容を選ぶことが重要です。また、論理的かつ簡潔に述べること、謙虚な様子を崩さないことなど、話し方や態度にも注意を払います。自己PRでカギとなるポイントについて見ていきましょう。
応募先の企業や職種を理解し、自分の強みを仕事にどう活かせるのかを意識する
自己PRでは、応募先の仕事に自分の強みをどう活かせるのかを意識して答えるようにしましょう。自分は押し出したいけれども企業には関係のない強みについて話をしても、面接官からは評価されません。そのためにも、応募先の企業や職種の情報収集をして、必要とされている経験やスキル、姿勢についてよく知ることが必要です。自己PRでは、強み(経験・スキル)をアピールするのが優先ですが、長所(性格・性質)を話す場合でも、仕事に活かす方向へつなげましょう。
まず結論から述べ、後から背景や要因を話す
思いつくまま話をしていると、要領を得ず、伝えたいことが伝わらない可能性があります。最初に結論として自己PRできる経験やスキルを述べ、その後で根拠となる背景や要因について論理的に説明するようにしましょう。
アピールポイントは1~2つに絞る
アピールしたいポイントがたくさんある場合でも、自己PRとして話すのは1つか2つに絞るようにしましょう。あまりにも多くのアピールポイントを含めると、散漫な印象になり、大事なポイントが伝わりづらくなります。
客観性の高いエピソード・実績を選ぶ
初めて会った面接官にもイメージしやすいエピソードを選ぶこともポイントです。「目標達成率〇%」「〇時間程度かかっていた業務を削減できた」などと数値で表せれば、より具体性が生まれて面接官もイメージしやすくなるでしょう。「実績を数値で表しづらい」という人も、どんな状況や課題に対して、何を工夫して、どんな良い結果が残せたのかが分かれば必ずしも数値に落とし込まなくても構いません。
アピールポイント別|自己PRのOK回答例文
面接官に評価される自己PRの例文を紹介します。アピールしたいポイントごとに説明するので、ぜひ参考にして、自身のアピールポイントに合う文章を考えてみてください。
「会社・職種を問わず活かせるスキル」をPR
現職ではSaaSの導入営業を行っています。顧客数は大手IT企業など20社ほどです。実績としては上半期目標の115%を達成し、営業担当38名中1位の売り上げを記録したことです。達成の要因は、現場に即したニーズ把握と課題解決にあると考えています。商談の場では、いきなり課題のヒアリングから入るのではなく、業務の流れや部署の担当範囲など顧客の業務状況を理解することに注力します。サービスを通して、顧客のどんな課題を解決でき、業務の流れがどう変わるのかリアリティのある提案することで売り上げを達成してきました。このような経験を活かし、御社でも顧客獲得に貢献したいと思います。
「専門的なスキル」をPR
前職では○○事業において、Webサイトの設計とデザインを担当し、1年間で受注案件数110%増を達成いたしました。その要因は、リリース後まで見通し綿密な計画を立てたことだと自負しています。Webデザイナーにはデザイン力だけではなく、その先を見据える構築力が不可欠だと私は考えています。そこで、設計段階からマーケティングリサーチを行ってデザインに反映させ、そのうえで公開後の数字の予測を立て期間ごとの評価スキームを作り、アフターフォローを徹底しました。これによりクライアントからの信頼を得て、Webサイトのスムーズな運営につながり、受注件数を増やすことができました。実績を重視しプロジェクト全体を見通す力を、御社のお役に立てられればと思っております。
シチュエーション別|自己PRのOK回答例文
シチュエーションや立場によっても、適切な自己PRは異なります。状況別にOK回答例文を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
同じ職種や業界(一般的な自己PR例文)
現在営業職に従事しています。所属する営業部にはチームと個人の売り上げ目標があります。チームの目標だけでなく、個人目標についてもメンバーがお互いに達成をサポートし合うチーム作りを行ってまいりました。例えば、作成した資料や効果があったトークスクリプトを積極的に共有したり、時間があるメンバーが見積書や契約書の作成をまとめて行ったりするなどです。お互いにサポートすることで、全員が個人目標をクリアしたほか、結果的にチームでの目標に対しても達成率120%となり、メンバーが新人賞受賞。このようなマネジメント力、コミット力を発揮することで、御社でも営業職として業績に貢献できるものと考えております。
未経験職種
現職では広告制作のディレクションを担当しております。本業務では、スケジュールの見通しが立てにくく、デザイナーに残業を強いていることが問題になっていました。原因を探ると成果物に対する顧客側担当者の上司の指示による最終局面でのやり直しが頻繁に発生していたことに気づきました。そこで、制作過程で数回のチェックを設け、関係者全員の合意や意見を得て、次の工程に進めるフローの浸透に着手。その結果、最終段階でのやり直しが発生することはなくなり、スケジュール管理や作業も効率化され、全デザイナーの残業時間を30%削減できました。人事という未経験の職種ではありますが、御社でも、常に現状の課題はどこにあるかを考え洗い出し、効率的に組織体制を改善できるよう取り組みます。
第二新卒者
大学卒業後、飲食業を営む企業に総合職として採用されました。これまでは、店舗管理業務に携わる中で、チェーン店の経営について学び、現場との調整を行ってきました。業務の一環として、報告書の作成や集計のため、関数を活用しエクセルの共通フォーマットを自主的に改善、各店舗で共有しました。以前のフォーマットよりも、集計がしやすく項目にも漏れがなかったため、作業の効率があがり、複数の上司から評価されました。この経験から自分の得意分野での専門性をより高めるために転職したいという思いが強まりました。これまでの管理業務で習得したコミュニケーション能力を活かし、事務職として円滑なサポートをしたいです。
管理職
営業課長として2年間、5名の課員をマネジメントしました。組織作りを重視して2つの施策を中心に取り組み、結果として営業成績が実施前期の110%を達成。残業時間も1人当たり月5時間の削減へとつながりました。具体的な行動の1つ目は人員の配置を見直したことです。一人の課員が長期間同じ案件を持つことをやめ、さまざまな業務に携わるようにしました。その結果、課員が多様な視点で顧客に提案することができるようになり営業力も向上したほか、メンバーの相互理解が深まりました。2つ目は、課内の一体感の醸成です。課員への個別の声かけだけではなく、朝礼で業務の進捗状況や困りごとの共有やお互いの良いところを褒め合う習慣を作りました。その結果、課員それぞれがお互いのことを気にかけ助け合う風土を強化することができ、チーム一丸となって目標達成を目指す一体感を生むことができました。今後もそれぞれが俯瞰的な視点をもちチームで動くことが企業発展の基礎と考え、御社においてもチームでの総合力を高めていきたいです。
面接での自己PRのNG回答例文
性格上の長所のみをあげている
誰とでもフランクに話せることが私の強みです。御社でも積極的に話し、社内外の人々と仲良くなりたいです。
自己PRは、業務上のスキルや経験に基づいた強みをあげるようにしましょう。性格上の長所を伝える場合、業務上の強みと掛け合わせて、アピールするようにしましょう。
強みに具体性がない
私の強みは協調性です。協調性を活かして仕事を頑張ります。
アピールが抽象的で分かりづらいのもNGです。なぜ協調性が強みといえるのか、また、入社後どのように活かすのかが不明瞭です。具体的な例を挙げて説明するようにしましょう。
「何を自己PRしたらいいか分からない…」自分の強みを見つける方法
何を自己PRすればいいか分からないときは、まずは今までの経験・スキルを思い出してみることが大切です。自己PRのポイントを見つける4つの方法について解説します。
自己PR発掘診断を受けてみる
dodaの「自己PR発掘診断」では、16の質問に答えるだけで自分のアピールすべきポイントをつかむことができます。アピールしたいポイントが思い浮かばないとき、転職に役立つ自己PRが何なのか不明瞭なときは、ぜひ試してみてください。
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強みや能力、働き方について迷ったときは、dodaの「キャリアタイプ診断」をぜひ利用してみてください。120の質問に答えると、性格・気質傾向と能力傾向、行動基準、あなたに合う仕事スタイル、あなたに合う企業風土の5つを分析できます。
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自問自答しながら、強みを引き出す
以下の5つの質問に答えることで、自己PRのポイントが見つかります。質問に沿って、過去を振り返ってみましょう。
・「今までの印象的な仕事は何だったのか」
・「なぜその仕事を頑張ったのか」
・「そのときどんな行動をしたのか」
・「その結果どうなったのか」
・「その結果から何を学んだのか」
キャリアアドバイザーに相談してみる
転職サポート経験豊富な、キャリアアドバイザーに相談してみるのもおすすめの方法です。「自己分析のやり方が分からない」「自己PRの答え方が分からない」などのお悩みに、あなたの希望や考え方に合わせてお答えします。相談は無料です。ぜひ転職のプロに相談してみましょう。
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<まとめ>自分と求人の共通点を探しながら、自己PRを準備してみよう
面接は企業と応募者の双方がお互いの相性を確かめ合う場です。その意識を忘れずに、企業分析と自己分析の両方をしっかりと行いましょう。自己PRで、「企業はどんな仕事をしていて、何が求められているのか」を把握した上で、それとマッチする自分の強みを説明できれば、採用へと大きく近づきます。
もし、自分で自己PRを考えるのが難しいという場合は、企業の視点や転職に豊富な知識を持つプロの助けを借りるのも一つの方法です。dodaには求職者の視点、法人の視点を持つキャリアアドバイザーがいます。ぜひ、転職活動の一助としてお役立てください。
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■そのほか、よく聞かれる質問をチェック
ステップで分かる転職ノウハウ
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