連載転職の失敗談から学ぶ!後悔しない転職成功術
転職の給与交渉に失敗…後悔しないために知っておきたい給与交渉の注意点は?
転職の給与交渉に失敗…希望より低い提示年収を承諾してしまいました…
キャリアアドバイザーの助言
適正年収・給与と比較しつつ、最終的には将来的な金額を考えよう
第一に、給与を含め、気になることは入社前にしっかりと確認しましょう。給与の総額だけではなく、どのような基準や内訳で給与が決定されているのかも確認することが大切です。
前提として給与は転職先の給与テーブルをもとに算出されていることが多いため、要望が通らないからといって、自身が評価されていなかったり、運が悪かったりするわけではありません。たとえ入社時点では給与が上がらなかったとしても、将来を見据えた金額で考えることが大切でしょう。
一方で、適正年収・給与を把握したうえで、自身のスキルやキャリアをもとに論理的に説明できれば、企業側が交渉に応じてくれる可能性ももちろんあります。とはいえ自分が転職を思い立った理由を踏まえて、仕事に求めることは年収アップなのか、それとも別の要素なのかを棚卸しすることが重要でしょう。
詳しく知りたい
年収・給与交渉の前に知っておきたいこと
給与交渉を行う前には、企業側の事情も踏まえておく必要があります。知っておくことで交渉を優位に進められることもある3つのポイントをご紹介します。
企業には提示金額の基準がある
内定後に企業が提示してくる年収には根拠があり、その多くは社員の給与テーブルに当てはめて提示していることが多く、その算出方法は企業によって異なります。給与に納得がいかない場合は、内定承諾前に、そもそもその企業の給与テーブルはどのようになっているのか、提示された額はどのレベルに当てはまるのかなど、提示額の理由をていねいに確認してみましょう。
また、今すぐに希望金額に届かなくても、社内で評価を得られれば、入社後に昇給できる可能性もあります。評価の基準は年齢かスキルかなど、評価制度を確認し、希望金額に到達するまでのイメージを描いて、総合的に考えてみましょう。
年収・給与交渉は必ず成功するとは限らない
年収・給与交渉は行うことで必ず金額がアップするわけではありません。むしろ、提示された額はその企業内の制度を元に作成しているため、交渉を経ても上がらないことのほうが多いです。しかし、一部の外資系のように給与設定が柔軟な会社や採用が難しいIT系の職種は給与交渉の余地があるケースも。自分が働く会社ということを踏まえて、あくまで念のための打診をする姿勢で交渉を行うとよいでしょう。
提示年収が低い=「評価が低い」ではない
提示された年収が低いと、自分の評価も低いと感じてしまいがちですが、実際は採用時の評価と年収の提示額はそこまで関連性がないことのほうが多いです。もちろん転職の軸や生活するうえでの最低ラインを割っていれば検討しなおすべきですが、「要望が通らない=評価されていないわけではない」ことを念頭に置いておきましょう。入社時のことだけを考えるのではなく、入社後の昇給イメージを踏まえて、自身のキャリアプランを実現できそうか判断することが大切です。
年収・給与交渉に失敗してしまう原因
年収・給与交渉に失敗してしまう原因は大きくは3つあります。どれも企業側の事情を踏まえずにやってしまいがちなものなので注意しましょう。
年収・給与交渉のタイミングが適切でない
年収・給与交渉は、内定後、内定承諾までの期間に行いましょう。交渉の仕方によっては、面接官にマイナスの印象を与えてしまう恐れもあるので、面接や内定前の面談などは避けた方がよいでしょう。
ただし、面接の場で希望年収を聞かれた場合は、正直に伝えておくと安心です。逆に選考中は希望額について聞かれても答えなかったのに、後から交渉することで、印象が悪くなる恐れもあります。希望年収を伝える際は、最低希望金額とできれば欲しい金額をわけて伝えるとよいでしょう。
希望年収・給与の金額が適切でない
経歴やスキルに見合わない高さの希望年収を提示してしまうと、年収・給与交渉はやはり失敗しやすいです。企業側は業界の水準や給与テーブルを元に算出しています。年収交渉するとしても、そのテーブル内で多少の金額調整ができる程度であり、大幅に高い金額に設定することは難しいでしょう。その企業の提示年収が適切か判断するためにも、転職する業界・企業の年収はある程度、事前にリサーチしておくとよいでしょう。
希望年収に固執しすぎている
年収・給与交渉は、自身と企業側の希望のすり合わせの場です。もちろん、自分の希望を率直に伝えるのはとても大事なことですが、自分の希望年収に固執しすぎて企業側の事情を無視するのは避けましょう。企業側のオファーはある程度これまでの実績や、業界の水準を考慮したものになっているので、それを無視して一方的に自分の希望だけを伝えるのは、やめておいたほうがいいでしょう。
年収・給与交渉で後悔しないためのコツ
年収・給与交渉で後悔しないためには、交渉の時期とその会社の情報を事前に集めておくことが重要です。交渉成功に向けたコツを4つのポイントで解説します。
年収・給与交渉は内定後に行う
年収・給与交渉は内定後に行うことが原則です。オファー面談と呼ばれる、内定後に待遇面について確認する場が設定されている場合は、その場で積極的に確認を。特に面談に関する連絡がなければ、オファー面談をしてもらえないか問い合わせしてみましょう。面談という形式が難しかったとしても、気になる点は内定承諾までの間にメール等で質問して構いません。
一方、選考中に給与について強く交渉することは避けましょう。また、内定承諾すると条件面を含めて合意をしたことになるので、承諾後の交渉も避けましょう。
【要注意】労働契約上の「内定」とは?
本記事内では「企業から採用条件通知書が発行されたタイミング」を内定と呼んでいます。 しかし、労働契約上は採用条件通知書が発行されただけでは「内定」とはなりません。
企業から「採用条件通知書」が送付され、求職者が求人企業に対し、入社日・年収等重要な条件を踏まえ、就業することの意思表示をした状態が労働契約上の内定となります。
ですから、退職交渉の開始や他社選考の辞退は、労働契約が成立してから 行ってください。
dodaエージェントサービスを利用している場合は、キャリアアドバイザーに相談しながら、慎重に進めてください。また、ご自身で企業と直接やり取りしている場合は、エビデンスが残る形で進めていただくのが安全です。
提示された年収に対して気になる点は確認する
内定が出ると、企業側から年収が提示されます。入社してからこんなはずじゃなかったと後悔しないためにも、気になる部分は、遠慮せずに質問しましょう。また、給与は金額だけでなく、働き方とあわせて考えることをおすすめします。勤務時間や想定残業時間は何時間の設定なのか、裁量労働制をとっているのかなど、働き方と年収・給与のバランスをよく確認しましょう。ただし入社して長く働く可能性のある相手なので、質問の仕方は失礼のないよう注意が必要です。
希望年収に固執しない
希望年収はあると思いますが、それに固執しすぎるのは避けましょう。
希望額に届かなかった場合は、改めて自分の希望を整理してみることをおすすめします。その際は給与だけでなく、転職をしたい理由や、身につけたいスキル、転職先に求めることなどを整理し、総合的に判断しましょう。年収アップが絶対条件ではない場合は、希望の額を伝えるよりも最低限、維持しておきたい年収を伝えておくと安心です。また、提示された金額が低くても、昇給を見込めるのであれば早い段階で希望に達するかもしれません。こうした可能性も念頭に置き、提示された金額との折り合いがつけられるのか検討してみましょう。
エージェントを活用する
年収・給与交渉はストレスがかかるものなので、人によっては苦手だと思う人もいるかもしれません。自分でうまく交渉できる自信がない場合は、転職エージェントの利用もおすすめです。経験豊富なエージェントが企業に対して希望を伝えてくれるので、気まずい思いをしたり、必要以上に恐縮して希望を伝えられなかったりといった事態を避けられます。実際に転職エージェントを利用して年収アップを実現した人も数多くいるので、スムーズに交渉を進めたい人は検討してみましょう。
入社後に「こんなはずじゃ…」とならないために、
転職のプロに相談しよう
年収・給与交渉は自分の適正年収と企業側の事情を踏まえて行おう!
年収・給与交渉は一方的に自分の希望だけを伝えるものではありません。企業が提示する年収は多くの場合、転職先の業界の年収相場やその応募者のスキルを勘案したうえで、企業の給与テーブルに基づいて算出されたものです。そこから金額を上げるにはそれなりの根拠が必要です。もし年収・給与交渉を行う場合は、自分のスキルや経験、適正年収を踏まえて金額を提示する必要があります。しかし、転職の成功は必ずしも年収アップとは比例しないはずです。自分の転職の軸をもう一度見つめなおし、昇給も含めた将来的な年収で企業選びを進めましょう。
年収・給与交渉で適切な金額を提示できるか、交渉をうまく進められるか不安な方は転職エージェントの利用もおすすめ。dodaの転職エージェントでは、転職に関するサポートはもちろん、年収・給与交渉を含む企業とのやり取りを代行しています。利用料は完全無料なので、ぜひこの機会に一度ご検討ください。
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- 給与や年収の確認の前にあなたの
強み・アピールポイントをチェック! - 自己PR発掘診断を受ける
- 入社後に「こんなはずじゃ…」とならない
ために、転職のプロに相談しよう - エージェントサービスに申し込む(無料)
この記事を監修したキャリアアドバイザー
飯島 陽介(いいじま・ようすけ)
国家資格キャリアコンサルタント
米国CCE,Inc.認定GCDF-Japan キャリアカウンセラー
【経歴】
アパレルメーカーに新卒入社し、マーケティング職として勤務。自身の悩みをきっかけに、個人のキャリア支援(人生・仕事)に意義を感じ、パーソルキャリア株式会社に転職。現在までにコンサルティング職・エンジニア職を中心に、業界・職種・年齢の垣根を越え、15年超、累計7,000名以上の方を担当させて頂きました。
【メッセージ】
お話をさせて頂く中で、自分らしさへの自己理解を深めて頂き、結果、お一人おひとりらしい生き方や働き方へのご支援ができるパートナーになることができれば、と考えております。
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