2025年上半期の転職市場は求人が増え、追い風が続く見込み
取り上げている15の分野のうち13の分野で求人が「増加」または「好調を維持」と予測しており、2025年上半期は転職のチャンスが広がる見込みです。
求人増加(11分野):電気・機械、不動産・建設、金融、メディカル、営業、経理、人事、法務、販売・サービス、クリエイティブ、食品
好調を維持(2分野):IT・通信、化学・素材
横ばい(2分野):企画・マーケティング、事務・アシスタント
2025年上半期、転職市場は労働力不足を背景に引き続き活況となるでしょう。企業が採用を強化する背景として、2040年に労働力不足が深刻になると言われている「2040年問題」や、働き方改革に伴う人材の確保、新規事業創出や既存事業拡大に欠かせないベテラン人材の確保などの理由が挙げられます。
「2040年問題」を見据えた採用
「2040年問題」とは、団塊ジュニア世代が2040年ごろに定年退職を迎えることにより、労働力不足が深刻になるとされる問題のことを指します。企業は、2040年を見据え中長期の目線で今のうちから採用体制や採用ブランディングの強化などに力を入れ始めています。
働き方改革による人材ニーズの拡大
働き方改革を進める企業が増えていることも、求人数増加につながっています。残業時間の抑制のためにも、業務効率化に加えて、業務を複数の人材で分担する動きも加速しており、短時間正社員の採用など、多様な人材の採用を強化しています。また、業務効率化に欠かせない、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進できる人材のニーズも増加傾向です。
新規事業や既存事業拡大による人材確保
業績が好調な企業を中心に、新規事業創出や既存事業拡大に注力する動きが見られます。事業の推進にあたり、十分な知見や経験を持つ人材の中途採用に力を入れる企業が増えています。例えば、AIの事業活用を検討する企業では、他社で既にAIで業務変革を行った経験のある人材の確保がより重要性を増しています。
そのほか、業界や職種別で見ると、IT・通信業界は、企業のDX推進の流れに加えて、システムが老朽化する一方、基幹システムのIT技術者が定年退職を迎えていくという、いわゆる「2025年の崖」問題を踏まえて、エンジニア職のニーズは引き続き拡大しています。
また、電気・機械エンジニア職では、自動車業界のEV化や半導体ビジネスの拡大に伴う人員増加、販売・サービス業界ではインバウンド対応に伴う店舗拡大、テイクアウト・宅配市場の拡大などに伴う人員増加など、各業界・職種で採用ニーズが拡大する傾向が見られます。
2025年上半期の転職市場で押さえておきたいトレンドは?
社員一人ひとりの負担を軽減し、働きやすい環境整備が進む
売り手市場に伴い企業間の人材獲得競争は激化しています。そのため、各企業では採用に力を入れるだけでなく、社員満足度を高め、社員の定着率向上(離職防止)を図る取り組みを推進しています。
例えば、会社として社員の残業時間削減に取り組んだり、転勤についても個人とていねいに相談したり、望まない人にはあらかじめ転勤がないコースを選べるようにするなどの工夫をしています。また、業務を細分化することで、一人ひとりの業務量の軽減をする、ベテランが若手の業務フローを支援する体制を作るなどさまざまな取り組みが行われています。
選考時の説明やフォローをしっかり行う企業が増加
採用した社員が入社後にギャップを感じ、すぐ辞めてしまうことを防ぐために、選考の段階からていねいな説明やフォローを行う企業が増えています。
例えば、入社後に任せたい業務や役割をきちんと説明したり、仕事を通じてどんなスキルが身につくのかを説明したりして、応募者が入社後のキャリア形成をイメージできるような取り組みを行っています。
必要に応じて、工場や会社見学の実施や、現場社員が面接に同席をして、現場について質問ができる場を設定したりする企業も増えています。そのほか、応募をすると決めていない段階でも、まずは会社のことを知るための「カジュアル面談」を行う企業も増加しています。
2025年上半期の転職はキャリアアドバイザーとかなえよう
このように2025年上半期の転職市場では求人が増え、自分の希望に合った企業選びもしやすくなっていますが、転職活動では、しっかりと自分の強みを企業に伝え、組織や事業にどのようにプラスの影響を与えられるかを具体的にアピールすることが重要です。
ご自身の選択軸の整理をお手伝いさせていただくことはもちろん、今までのご経験の中から、目指す業界や企業にフィットする強みや可能性を見極めることもキャリアアドバイザーの役割です。ぜひ転職のプロの力も活用しながら、2025年上半期の転職を成功させてください。
- 転職市場とあわせて自分の適正年収を知っておこう
- 年収査定をする(無料)
- 希望をかなえるには?キャリアアドバイザーに相談する
- エージェントサービスに申し込む(無料)
- あなたに合った働き方や企業風土を知って転職活動に活かしましょう
- キャリアタイプ診断(無料)
doda編集長
桜井 貴史(さくらい・たかふみ)
新卒で大手人材会社に入社し、一貫して国内外の学生のキャリア教育や就職・転職、幅広い企業の採用支援事業に携わる。2016年11月、パーソルキャリア株式会社に中途入社。
同年、株式会社ベネッセホールディングスとの合弁会社、株式会社ベネッセi-キャリアに出向、新卒オファーサービス「dodaキャンパス」の立ち上げを牽引し、初代dodaキャンパス編集長に。その後、同社 商品サービス本部 本部長として、キャリア講座やアセスメントをはじめとした、大学生向けサービスの責任者を務める。2023年4月、doda副編集長 兼 クライアントP&M本部 プロダクト統括部 エグゼクティブマネジャーに就任し、法人向け採用支援プロダクト全体を管掌。2024年4月、doda編集長に就任。サービスを通じてこれまで約60万人以上の若者のキャリア支援に携わり、Z世代の就職・転職動向やキャリア形成、企業の採用・育成手法に精通している。
ステップで分かる転職ノウハウ
転職に役立つ!テンプレート・ツール集
なるほど!転職ガイド
人気ランキング
-
1
-
2
-
3
-
4
-
5