スマートフォン版で表示

現在、お知らせはありません。

転職市場予測2020下半期【doda編集長がコロナの影響を解説】

公開日:2020年7月13日(月)

2020年上半期、新型コロナウイルスの猛威が世界経済にも大きな衝撃を与えました。このコロナショックを経て、企業の採用計画にはどのような影響があったのでしょうか。転職活動を積極的にすべきか、待ったほうがいいのかの判断材料にもなる2020年下半期の転職市場の動向について、doda編集長が解説します。

このエントリーをはてなブックマークに追加

転職市場の動向は「計画の見直しはあるが、多くの企業が採用を継続中」

doda編集長 喜多恭子

——新型コロナウイルスによる自粛要請や多業種への休業要請があり、企業も思うように経済活動ができなかった印象の2020年上半期でした。転職市場にも影響はあったのでしょうか。

もともと、2020年は夏以降の景気がやや後退するだろうと予測していました。さらに今回コロナショックが起こったことで、少なからず転職・採用の面でも影響は出ているといえますね。

ここ数年は雇用情勢が比較的安定していたこともあり、求人数・求職者数ともに高い水準で推移していました。2020年の1月からは有効求人倍率が下がりはじめ、5月の段階では1.20倍となり、市場は売り手市場から買い手市場に変化しました。

この変化を受けて「転職活動はしばらく待ったほうがいいかな、今は動くべきではないのかも…」と判断される求職者の方もいらっしゃるかもしれませんが、私は今こそ動くチャンスでもあるととらえているんです。

——それは、どうしてでしょうか。

まず、今回のコロナショックによる自粛や経済活動の縮小は長期化する可能性が高いということ。「落ち着いたら動き始めよう」と思っていても、なかなか状況が好転しないという可能性もあるわけです。そうしている間にも時間が経ってしまい、タイミングを逃してしまうリスクもあります。

もちろん、やみくもに活動するのはおすすめしませんが、これまでにしっかりと準備を進めてきたなかで「自分には何ができるか、どんな専門性があるか」が見えている、さらに「どんな仕事をしていきたいか、仕事を通してどんな人になりたいか」といった目標や見通しが立っている方には、今が大きなチャンスだと考えていただきたいです。

転職市場も、完全にクローズしているかのように感じるかもしれませんが、実際には多くの企業が計画を見直しながらも採用活動を継続していますよ。

転職市場では経験者の求人割合が増加。過去の経験と関連する業界・職種にチャンス

——実際に、今後の転職市場としては業界や職種にどのような傾向がありそうでしょうか。

まずは採用を行う企業側の現況からお伝えします。率直に言って、コロナ前に比べてチャンスが増えた、という業界は少なく、楽観視できる状況でないのは事実です。とはいえ、テレワークが普及したことも追い風となって、IT系の通信キャリアや、ネットワーク系に強みを持つ企業や、テクノロジーベンダーと呼ばれる業種などは堅調に事業を続けられています。また、医療系の企業ももちろん堅実に成長している印象ですね。

職種ではエンジニア領域がコロナ前と変わらず売り手市場となっています。IT・インターネット業界が伸びたことで、人手を増やしたいというニーズもあるため、エンジニア職は引き続き求人が増えることが見込まれますね。

求職者目線で見ると、そうした業界・職種への転職をしたい、と考える方もいるかもしれません。コロナ以前は“売り手市場”で個人に有利な状況が続いていたため、未経験OKの採用も一定数ありました。しかし現在は採用計画を見直し、採用職種を絞っている企業が多く見られ、また採用人数も絞るために経験者採用が増えているのが現実です。

——それでは、かなり厳しいチャレンジになるということですね。

コロナ以前と比較すると、そうなっているといえるでしょう。ですが、仕事での経験がないからといってまったくチャンスがないというわけではありません。例えばエンジニア職であれば、学生時代にプログラミングを学んでいたとか、ポートフォリオになりそうな成果物を作ったことがあるなど、業務でなくても希望職種にひもづくような経験があれば可能性は見えてくるかもしれません。

それから、少し視野を広げてみましょう。外出自粛をきっかけにビデオ会議ツールなどを利用したオンライン面接など、リモートでの選考が普及しつつあるのは大きなチャンスです。これまでだと物理的な距離や、残業で面接の時間調整が難しいといった事情でチャレンジできなかった遠方の企業へも応募が可能になっているので、双方にとって出会いのチャンスが増えているのです。実際に、こうしたオンライン採用を活用することで、採用効率が上がっているという企業の声も聞かれます。

実際に企業を見ていると、コロナ禍でも、採用については計画の見直しなどで継続して採用活動を行っている企業が多いですね。採用計画に影響があった企業は全体の36%。その中で、まったく見通しが立たない状況にあるのは6割ほど。つまり全体から見れば、約2割にとどまっています。残り8割の企業は影響を受けていないか、受けていても早期に計画を見直し、採用を続けられているということです。

ですから、転職市場の現状としては完全に採用がストップしているわけではありません。準備ができている人にとっては動き出すべきときだと私は考えています。

リーマン・ショック時、明暗を分けたのは「変化への柔軟性」

——過去、経済活動に大きな影響を与えた出来事といえば、2008年のリーマン・ショックが思い浮かびます。喜多編集長は当時すでにパーソルキャリア(当時は株式会社インテリジェンス)で人材業界の最前線にいたわけですが、当時と今でどのような共通点や相違点がありますか。

少なからず企業の採用計画に影響を与えている点は共通しています。ただ今回明らかに違うのは、リーマン・ショックでの経験を活かし、内部留保などを活用しながら経済危機に備えていた企業が大手を中心に多かったという点が挙げられます。

リーマン・ショックの際には、備えができておらず採用を完全ストップせざるを得なかった企業や社員に対して早期退職を募る企業、さらには存続そのものが危ぶまれるなどの苦境に追い込まれる企業も後を絶たなかったのを覚えています。

——業種を問わず、そうした苦境を乗り越えた企業に共通点はありますか。

今普及しているリモート選考などにみられるように、変化への対応が早い企業は優位性をもって採用を進めることができていますね。オンライン環境を採用の場面でも導入・運用できている企業は人材確保に成功しています。

これはリーマン・ショック時にも共通していて、採用計画だけでなく経営戦略の見直しなども含めて、素早く動いた企業はダメージからの回復が早かったという印象です。

——変化に柔軟に対応できる企業の見極め方はありますか。

単純に、今求人情報を出されている企業はそれだけで強いといえるかもしれませんね。採用計画を見直したり中止したりする企業もあるなかで、求人を続けているというのはひとつのポイントになるでしょう。

また、外部環境の変化に対する適応力を見るのであれば、オンライン面接を採用しているとか、リモートワークを選択できるといったように、選考方法や働き方への柔軟性が見えるところはこれからもしなやかに変化を受け入れていける素地が整っていると考えられます。

——リーマン・ショックをサバイブしていった求職者はどのような人でしたか。

当時、私は人材派遣業と、紹介事業を兼務で担当しており、販売・サービス系分野の方とお会いすることが多かったんです。ですから、いわゆる「派遣切り」が多発したリーマン・ショックの渦中では、関わった人が次々と仕事を失っていくのを目の当たりにしていて…。ただ、自身のスキルや経験をしっかりと客観視している方は厳しい状況下でもサバイブしていましたし、求職者の皆さまがそうなるためのサポートをせねばと強く思わされた出来事でした。

リーマン・ショックの厳しい状況を生き抜いていったのは、明確に「自分にはこういうスキルがある」「これができる」と言える人、自分のキャリア展望をしっかりと考えてきた人でした。だからこそ、コロナショックで市場の動きが鈍化している今、自身のスキルやキャリアの棚卸しに取り組んでほしいと強く感じています。

これから転職活動をする人・しない人へのアドバイス

——2020年下半期にかけて、転職市場はどのように動いていくと予測していますか。

7月以降も、昨年の同時期と比べるともちろん求人数は減少が続くでしょう。一方で、リーマン・ショックのように一夜にして大打撃を与えるようなインパクトが来ている印象はありません。

2008年には全国で15,000件以上の倒産があり、2007年と比較すると11%の増加率でした。一方で、コロナショックに起因する倒産は6月30日の時点で297件。もちろんコロナショックは完全に収束しておらず、長期化する可能性もあるためこのデータだけで楽観視はできませんが、影響が続くにしても比較的ゆるやかな動きを見せるのではないかと予測しています。

——転職を検討している方に向けて、アドバイスをするとしたら?

今、新型コロナウイルスの影響で転職を思いとどまっている人もいるかと思います。が、先ほどもお話ししたように、今の自分に何ができるか、何を大切にしたいか、どんな働き方をしたいか…といった展望が見えている人は無理に動きを止める必要はありません。

dodaのサイト上でも紹介しているとおり企業の採用活動は続いていますし、何よりもコロナショックの収束がいつになるか分からない以上、「あのとき思い切って動いていれば…」と後悔しないためにも、常にご自身の転職希望タイミングを意識し、転職市場の動向をチェックしておくのがおすすめです。

一方で、今転職することに対して漠然とした不安を抱えているのであれば、焦って動かなくて大丈夫です。その代わり、今の時期にご自身のこれまでの経験や能力について振り返り、来るべき転職のときへ向けて準備をしておくのがよいでしょう。「在宅ワークを経験したことで家族の時間が増え、やっぱり家族を大切にしたいと思った」…というように、仕事と生活のバランスを見直してこれからの働き方を考えるのもよいですし、自分がこれまでにしてきた仕事や経験から踏み出せる新しいステップを探してもよいと思います。そうしたこれからの展望が見えたうえで、転職活動にチャレンジしてみてほしいですね。

もちろん、こうした“棚卸し”は一人だと難しいこともあります。コーチングを受けたり、dodaキャリアアドバイザーのカウンセリングをご利用いただいたりといったように、第三者の力を借りるのは、自分でも見えていなかった力や志向が見えてくることが多いので、とてもおすすめの方法ですよ。

最も大切なのは自分に何ができるかを見つめ、何を大切にして生きていきたいかを考えること。これは転職を考えている・いないにかかわらず、常に考えていてほしいと思っています。それらが明確に見えている人はきっと前向きに行動できますし、チャレンジできる求人を見つけられるようになるはずです。

テキスト:藤堂真衣 / プレスラボ
撮影:寺島由里佳
このエントリーをはてなブックマークに追加

アンケートにご協力ください。このコンテンツは役に立ちましたか?

いま自分は転職すべき?…そんな悩みはキャリアアドバイザーに相談を
エージェントサービスに申し込む(無料)
Web面接・オンライン面接を実施中の企業の求人特集
求人を見る
テレワーク・リモートワーク・在宅ワーク制度がある企業の求人特集
求人を見る

Web・オープン系エンジニアのためのdoda転職フェア セレクトオンライン