転職市場予測 金融の転職市場動向 2025上半期
銀行、証券、保険、投資信託、カード、信販、リース、コンサルティングファーム…など、2025年上半期の金融業界に関する求人数の増減や求人トレンド、採用ニーズなどの転職市場予測をご紹介します。
2025年上半期、金融業界の求人数は増える
2025年上半期の金融業界の求人数は増えると予想されます。大手金融機関ではバブル世代の方々がすでに役職定年を迎え始めています。そのため、新たにマネジメントを担う40代や働き盛りの20~30代を対象に、人材確保に向けた積極的な採用活動が行われると予想されます。
また、日銀の金融政策変更により“金利がある時代”に突入し、金融機関全体で収益部門・分野の変化が起きています。特に銀行や国内の生命保険会社では、資金運用による利益の最大化により売り上げが伸びています。また、金融サービスの高度化や流動性預金の調達競争を背景に、企業の人材ニーズは高まっています。
実際にメガバンクや大手の生命・損害保険会社は採用予算を増やしており、大手企業では高い採用意欲が見られます。さらに、働く人たちの価値観に寄り添った人事運営や人材の確保に向けた人事制度の変更を予定している企業もあります。
証券会社では日本株の30数年ぶりの上昇を背景に株式市場の活発化やトレーディング収益の回復が生じ、好決算が続いています。それに伴ってIPOや大規模M&Aが盛んに行われており、金融市場の好調に後押しされる形で、採用熱度も高まっています。特にニーズが高い職種としては、高度な専門知識を活かせる資産承継・ウェルスマネジメント・財産コンサルタントなどが挙げられます。
2025年上半期、金融業界の転職で評価されやすい経験、資格、アピールポイントは?
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「自己PR」発掘診断(無料)2025年上半期の金融業界では、ストラクチャードファイナンス(プロジェクトファイナンス、LBOファイナンスなど)を経験している人材が評価されやすいでしょう。資格や手掛けたプロジェクトの規模以上に実務経験が重視される傾向にあり、ソーシング、マンデート、チーム組成、プライシング、ドキュメンテーション、クロージングといった実務に業務遂行者として深くコミットしたかどうかが重視されます。
また、リテール業務では旧来の金融商品を扱うだけでなく、顧客のポートフォリオに適した長期的なリスク資産の提案や顧客の複雑なニーズに沿ったソリューション、遺言信託・事業承継・相続などに関する高度な知識を提供できる人材が求められます。
金融業界の転職でアピールにつながる資格は?
金融業界の未経験者の場合「証券外務員一種」は必須です。金融事務を志望する場合は「MOSスペシャリスト」があれば有利に働くでしょう。
金融業界の経験者の場合「証券アナリスト」「宅地建物取引士」「CFP(またはFP1級)」「中小企業診断士」「FRM(Financial Risk Manager)」などの資格を保有していると書類通過率が高まり、その後の選考にも役立ちます。それぞれの資格が必要とされやすいポジションは下記のとおりです。
証券アナリスト
運用担当者(ファンドマネジャーなど)、クオンツ(運用)、リサーチ(エコノミスト、アナリスト、ストラテジスト)、金融機関向けホールセラーでほぼ必須
宅地建物取引士
不動産金融でほぼ必須
CFP(またはFP1級)
財産コンサルティング、事業承継アドバイス(相続業務・遺言、M&Aなど)、プライベートバンカーなどで信頼性につながる
中小企業診断士
財務コンサルタント、M&Aアドバイザリー、企業再生などで信頼性につながる
FRM(Financial Risk Manager)
リスク管理業務で信頼性につながる
また、金融人材(特に銀行員)のほとんどは日商簿記3級以上を取得しますが、簿記2級・1級、公認会計士、税理士などの資格を取得していると、キャリアの選択肢が大きく広がる可能性があります。
若手、ミドル、ベテラン…キャリア別のアドバイス
若手層は経験が足りなくてもポテンシャルがあれば評価されます。成果を出すまでのプロセスや考え方、コミュニケーション能力や論理性などのポータブルスキル、今後のキャリアで何をしたいか、どう成長したいかのビジョンを伝えることが大切になります。
ミドル層はこれまでのキャリアと志望するポジションの親和性をアピールしましょう。例えば「リテール営業→プライベートバンカー」など、専門性に共通する部分があればそのスキルを転用できるため、未経験から金融業界への転職もしやすくなります。
金融業界の経験者は実績やキャリアを築く上で考えてきたことに加え、担当したアセットや融資手法、運用手法、法令ガイドラインなどの親和性を示すことが重要です。また、「法人営業に対する専門性を磨きたい」「ファイナンスから事業会社へ立場を移して、資金調達や事業伸長のためのM&Aに関わりたい」など入社後のイメージが伝わる転職理由は企業に対するアピールとなります。
ベテラン層は具体的なスキル・資格やマネジメント経験に加え、経験に裏打ちされた営業力や顧客対応力が企業から期待されています。チームマネジメントを通して得た収益の実績など具体的な数字を示せると、さらに評価は高まりやすいでしょう。
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金融業界では人事制度改革や柔軟な働き方ができる環境整備が進む
2025年上半期、メガバンクや大手の生命保険会社を中心に人事制度の改定が進んでいます。人材育成の傾向がジェネラリストからスペシャリストへと移行しているため、ジョブローテーションの見直しや個人の成長目標に合わせた評価制度の新設、年功序列の廃止といった変化が見られます。
また、働き方の柔軟性を求める声に応えて、地域限定の働き方でも昇進しやすい環境の整備や転居を伴う異動者への報奨金制度、事業部門への人事権限の委譲などの動きも進んでいます。
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金融業界には、世の中や社会の変化に対し高い関心を持っている方が多くいます。その一方、自身のキャリアやスキルについて振り返る機会は十分とはいえず「世の中が変化しているのにこのまま今の仕事を続けていていいのか?」と不安に駆られる方も少なくありません。
転職活動は、自分の強みや企業に求められるものなどを理解する絶好の機会です。dodaのキャリアカウンセリングでは、転職活動のスケジュールや経験の活かし方についてさまざまな角度からアドバイスが受けられます。金融業界を未経験の方にとっても、業界の特徴やあなたに適した仕事など有益な情報が得られます。また、職務経歴書などの書類添削や面接準備など実務的なサポートも充実しています。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
【経歴】
高専を経て大学(機械工学科)卒業後、大手 銀行に就職し、リテール営業部署の各支店において資産運用コンサルタントとして従事。同銀行内で従業員組合役員を2 年経験した後、グループ内の現代アートオークション事業会社に出向し、アート査定および 超富裕層 の顧客対応を経験する。2023年、パーソルキャリア株式会社に入社。金融領域専任のキャリアアドバイザーとして、同領域で活躍している方々の転職支援を担当している。
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