2024年下半期の転職市場は求人が増え、追い風が続く見込み
取り上げている15の分野のうち12の分野で求人が「増加」または「好調を維持」と予測しており、2024年下半期は転職のチャンスが広がる見込みです。
求人増加(8分野):電気・機械、金融、営業、人事、法務、販売・サービス、化学・素材、食品
好調を維持(4分野):IT・通信、不動産・建設、経理、クリエイティブ
横ばい(3分野):メディカル、企画・マーケティング、事務・アシスタント
2024年下半期、これまで求人数の増加を後押ししていた「リバウンド需要」が一定の落ち着きを見せるものの、少子高齢化による労働力不足の影響で、引き続き積極的に採用を行う企業が多いでしょう。「リバウンド需要」とは、コロナ禍で一時採用活動を控えていた企業が、採用できていなかった分の人材を確保しようと求人を再開し、コロナ流行前の求人水準を上回る需要のことです。「リバウンド需要」は、2021年ごろから徐々に拡大し、2023年にはあらゆる業界で過去最高水準の求人数を記録しました。
2024年現在、「リバウンド需要」による採用熱は落ち着きつつありますが、依然として少子高齢化による労働力不足が課題となっている企業は多く、また今後も慢性的に見込まれることから、引き続き積極的な採用活動が行われる見込みです。新卒採用を主流としていた企業の中には、新卒採用だけでは十分な人数を採用しきれず中途採用の枠を増やすなどの対応を行っている企業もみられます。
さらに、EV自動車を筆頭とした自動車の生産や、情報通信技術を駆使したDX推進を進める上で欠かせない半導体の需要増加も求人増加を後押ししています。半導体の生産強化に向けて、日本企業だけでなく海外企業も日本国内に生産拠点を新設しようとする動きが高まっており、研究開発職だけに留まらず、製造プロセス、品質管理、製造オペレーターなどのエンジニア需要や、工場を設立する建設・不動産業界の人材ニーズも高まると予想されています。
そのほか、業界別でみると、IT・通信分野は引き続き2025年問題の対応を含むDXニーズが増加、販売・サービス分野では円安によるインバウンド需要で旅行代理店や宿泊施設、百貨店などで業績好調、また、金融分野では株式市場が活性化する等、各業界で採用ニーズが拡大する傾向が見られます。
2024年下半期の転職市場で押さえておきたいトレンドは?
時差出勤やフレックスタイム制などを中心に働きやすい環境整備が進む
売り手市場にともない企業間の人材獲得競争は激化しています。そのため、各企業では採用に力を入れるだけでなく、社員満足度を高め、社員の定着率向上(離職防止)を図る取り組みを推進しており、働く時間を調整しやすいよう、時差出勤やフレックスタイム制などを採り入れる企業が増えています。
また、コロナ禍の収束を受け、出社の頻度を増やす企業も増えてきていますが、子育て世帯を中心にリモートを望む声も多くあり、週何日かはリモートワークで働けるといった、出社とリモートワ―クのハイブリッド型を採り入れている企業も見られます。
社員のスキルアップを支援する企業が増加。社内制度の整備が進む
近年、自分のスキルや経験について、不安視する人も増えてきており、将来に向けてもっとスキルアップしたいと望む声も聞かれます。
これまでの経験を活かして、さらにキャリアを積める企業への転職を望む人だけでなく、社内異動や副業で自分の望む経験や新しいスキルを身につけていきたいと考える人も増えてきています。
こうした声を受け、社内で希望する部署への異動ができるようなFA制度や、在籍年数などにとらわれず実力や結果を重視する評価制度、そして、新たに副業制度などを整える企業も増えてきており、望むキャリアや経験を積みやすい環境整備が進んでいます。
また、経験豊富な人材を獲得するため、即戦力として活躍が期待できる転職希望者には現年収よりも高水準の給与を提示する企業も多くなってきており、転職で収入アップをかなえる人も増えています。
2024年下半期の転職はキャリアアドバイザーとかなえよう
このように2024年下半期の転職市場では求人が増え、自分の希望に合った企業選びもしやすくなっていますが、転職活動では、しっかりと自分の強みを企業に伝え、組織や事業にどのようにプラスの影響を与えられるかを具体的にアピールすることが重要です。
あなたの今までの経験の中から、目指す業界や企業にフィットする強みや可能性を見極めることもキャリアアドバイザーの役割です。ぜひキャリアアドバイザーなど転職のプロの力も活用しながら、2024年下半期の転職を成功させてください。
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doda編集長
桜井 貴史(さくらい・たかふみ)
新卒で大手人材会社に入社し、一貫して国内外の学生のキャリア教育や就職・転職、幅広い企業の採用支援事業に携わる。2016年11月、パーソルキャリア株式会社に中途入社。
同年、株式会社ベネッセホールディングスとの合弁会社、株式会社ベネッセi-キャリアに出向、新卒オファーサービス「dodaキャンパス」の立ち上げを牽引し、初代dodaキャンパス編集長に。その後、同社 商品サービス本部 本部長として、キャリア講座やアセスメントをはじめとした、大学生向けサービスの責任者を務める。2023年4月、doda副編集長 兼 クライアントP&M本部 プロダクト統括部 エグゼクティブマネジャーに就任し、法人向け採用支援プロダクト全体を管掌。2024年4月、doda編集長に就任。サービスを通じてこれまで約60万人以上の若者のキャリア支援に携わり、Z世代の就職・転職動向やキャリア形成、企業の採用・育成手法に精通している。
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