失業手当(失業保険)の待期期間とは?7日間の数え方や何をするか解説
監修者:社会保険労務士 北 光太郎(きた・こうたろう)氏 (きた社労士事務所 代表)
待期期間は失業手当(失業保険)の手続きをすると必ず発生する期間です。しかし、待期期間が具体的に何をする期間なのか疑問に思う方もいるでしょう。本記事では、待期期間の基本的なルールや避けること、失業手当(失業保険)の受給スケジュールまで詳しく解説します。
この記事のまとめ
- 待期期間は退職理由が会社都合・自己都合にかかわらず全員一律で7日間設けられる。
- 待期期間のカウントはハローワークで手続きをした日から始まる。
- 待期期間中に1日4時間以上のアルバイトをすると待期期間が延長され、失業手当(失業保険)の受給開始日が遅れる
失業手当(失業保険)の「待期期間」とは?
待期期間とは「ハローワークに失業手当(失業保険)の申し込みをした後に必ず発生する期間」です。待期期間は、自己都合や会社都合など離職理由にかかわらず、失業手当(失業保険)を申請するすべての人に適用されます。
待期期間は「全員一律で7日間」
待期期間の長さは、退職理由にかかわらず「一律7日間」です。「会社都合だから短くなる」といった特例はありません。ハローワークで手続きをした日から数えて最初の7日間で、全員が同じ条件で設けられています。
なぜ待期期間があるのか?
そもそも失業手当(失業保険)は、「失業状態にある人」を助けるための制度です。もし待期期間がなく、申請したその日から支給対象になってしまうと「転職先が決まっていて、入社まで3日だけ離職期間がある」といった人まで3日分の手当を請求できてしまう可能性があります。そのため、待期期間の7日間は「失業状態にあるかを確認するための期間」として設けられています。
待期期間の7日間の数え方
待期期間は退職してすぐに始まるわけではありません。ここでは待期期間の開始日と土日や祝日のカウントについて解説します。
スタートは「受給資格決定日」から
待期期間が始まるのは、ハローワークに離職票を提出した日(受給資格決定日)からです。例えば、退職してから1カ月後にハローワークへ行った場合は、ハローワークへ行った日が1日目となります。
そのため、ハローワークへの手続きが遅れるほど、待期期間の開始も後ろ倒しになります。
-
例1)すぐにハローワークに行く場合
-
- 3月31日: 退職
- 4月14日:離職票が手元に届く
- 4月15日: ハローワークで手続き(受給資格決定日)
- 4月15日~21日: 待期期間(7日間)
-
例2)ハローワークに行くのが遅れた場合
-
- 3月31日: 退職
- 4月14日:離職票が手元に届く
- 5月10日: ハローワークで手続き(受給資格決定日)
- 5月10日~16日: 待期期間(7日間)
土日や祝日はカウントに含まれる
待期期間は土日・祝日もカウントに含まれます。土日・祝日はハローワークの窓口自体は閉まっており、手続きはできませんが待期期間の経過は止まりません。
例えば、金曜日に受給手続きをした場合、土日を含めて、翌週の木曜日が終われば7日間の待期が満了します。
待期期間と給付制限期間の違い
「給付制限期間」とは、自己都合退職者に適用される期間のことです。安易な離職や給付への依存を防ぐ目的で自己都合退職者のみ設けられています。給付制限期間中は失業手当(失業保険)を受け取ることができません。
待期期間と給付制限期間の主な違いは以下のとおりです。
| 項目 | 待期期間 | 給付制限期間 |
|---|---|---|
| 対象 | 自己都合・会社都合を問わず適用 | 自己都合退職者のみ適用 |
| 期間 | 7日間 | 原則1カ月 |
| 設けられている理由 | 失業状態かを確認する期間 | 自己都合退職者への支給制限期間 |
つまり、自己都合退職と会社都合退職では、失業手当(失業保険)を受け取れない期間は以下のように異なります。
2025年4月からの法改正による給付制限期間の変更点
給付制限期間は法改正により、2025年4月以降、原則2カ月から1カ月に短縮されています。
そのため、自己都合退職で求職申し込みをし、7日の待期期間を経て1カ月待てば失業手当(失業保険)の受給ができるようになります。
ただし、退職日からさかのぼって5年間のうちに2回以上自己都合により退職し、失業手当(失業保険)を受給したことがある場合は、3回目以降の給付制限期間は3カ月となります。また、自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇(重責解雇)の場合は過去の回数にかかわらず給付制限期間は3カ月です。
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待期期間中にできること・避けること
待期期間の7日間は、受給資格を確定させるための「観察期間」のようなものです。待期期間中の過ごし方には以下の基本的なルールがあります。
1日4時間以上のアルバイトは避ける(延長になる)
失業手当(失業保険)の制度では、1日の労働時間4時間以上の場合は「就労・就職」扱いとなります。
そのため、待期期間中に1日4時間以上働いたら、その日は「失業状態ではなかった」と判断され、働いた日数の分だけ待期期間が延長されます。待期期間の延長については後述します。
1日4時間未満のアルバイト(内職・手伝い)はできる(延長しない)
1日4時間未満のアルバイトは失業手当(失業保険)の制度では内職・手伝いとして扱われ、待期期間中でも「就労」とは見なされません。
そのため、待期期間中でも1日4時間未満であればアルバイトは可能です。ただし、初回の失業認定日にハローワークに申告する必要があります。
4時間未満のアルバイトの例としては以下のものが考えられます。
求職活動はOKだが、求職活動実績にはならない
待期期間中に求職活動(求人応募や面接)もできますが、待期期間中の活動は求職活動実績には含まれません。
求職活動実績とは、失業手当(失業保険)を受給するために必要な「仕事を探していること」を客観的に確認する求職活動記録のことです。
失業手当(失業保険)を受給するためには原則として4週間に2回以上の求職活動が必要になります。初回の求職活動実績の認定は、待期満了日の翌日から失業認定日の前日までの期間内でカウントされます。
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詳しく見るもし待期期間中に働いたらどうする?
待期期間中に4時間以上のアルバイトをすること自体は違法ではなく、ハローワークへ正しく申告すれば問題になることはありません。ここでは、待期期間中に働いた場合の対応を解説します。
ハローワークに申告する
もし待期期間中にアルバイトなどをした場合は、必ずハローワークに申告します。失業手当(失業保険)は「失業状態にあること」を前提として支給される制度であるため、たとえ短時間のアルバイトであっても、働いた事実や収入の有無を正しく申告する必要があるからです。
働いたことを隠して申告した場合は「不正受給」と判断され、厳しい罰則を受ける可能性があります。
待期期間が延長される
待期期間は失業状態かを判断する期間です。もし待期期間に1日4時間以上働いたら、その日は「失業状態ではなかった」と判断され、待期期間がその日数分だけ延長(繰り越し)されます。
例えばハローワークで求職の申し込みをして4日目に1日だけアルバイトをした場合は、求職の申し込みをしてから8日目で待期期間が満了になるということです。
失業手当(失業保険)が振り込まれるまでのスケジュール
失業手当(失業保険)が振り込まれるまでのスケジュールは以下のとおりです。
なお、失業手当(失業保険)のもらい方や条件などは下記の記事で詳しく解説しています。
失業手当(失業保険)とは?もらえる条件や期間、手続き方法を解説
2. 待期期間(7日間)
待期期間は働かずに待期します。土日や祝日も待期期間に含まれます。
4. 給付制限期間(原則1カ月)※自己都合退職者のみ発生
待期期間の終了後、1カ月間失業手当(失業保険)の支給を待つ期間です。なお、給付制限期間が発生するのは「自己都合退職」の方のみです。会社都合退職の場合は待期期間後に支給対象期間に入ります。
5. 1回目の失業認定日
指定日にハローワークへ行き、失業状態であることを申告します。給付制限期間がある方(自己都合退職)は、この日は「待期期間と給付制限期間の経過確認」となるため、まだ失業手当は振り込まれません。なお、会社都合退職の場合は、1回目の失業認定日で失業手当(失業保険)の支給が決定します。
6. 求職活動(次回の失業認定日前日まで)
次回の失業認定日に向けて、原則として2回以上の求職活動(求人への応募、キャリアカウンセリング、セミナー参加など)を行い、実績を作っておく必要があります。
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7. 2回目の失業認定日
前回の失業認定日から今回までの失業状態と求職活動実績を申告します。自己都合退職の人は、この認定を経て初回の支給決定となります。以降、原則4週間に1度のペースで2回以上の求職活動と失業認定日の活動申告を繰り返します。
よくある質問
待期期間中に内定が出たらどうなる?
内定が出た時点では待期期間には影響しませんが、就職した日(実際に働き始めた日)がいつかによって対応が異なります。
内定をもらって待期期間中に働き始めた場合はその時点で就職したものとして扱われ、失業手当(失業保険)は受け取れなくなります。
一方で、内定が出た後の就職日までは失業状態と見なされるため、待期期間が満了すれば就職の前日分までは失業手当(失業保険)を受け取ることが可能です。
なお、一定条件を満たして待期期間満了後に就職をすれば「再就職手当」がもらえます。ただし、自己都合退職の方が給付制限期間中に就職した場合、再就職手当を受給できるのは、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであることが条件です。
再就職手当について詳しく知りたい方は下記の記事もあわせてご覧ください。
待期期間中に病気で働けなくなったら?
ハローワークで求職の申し込みをした直後の待期期間中に病気やケガで働けなくなってしまった場合でも、その日数は待期期間の7日間としてカウントされます。ただし、完治した後は失業認定日に医師の診断書などをハローワークへ提出し、失業の認定を受ける必要があります。
また、病気やケガの療養が長引き、待期期間を含めて15日以上続けて働けない状態になった場合は通常の失業手当(失業保険)の代わりに「傷病手当」を受給できる可能性があります。傷病手当は、働く意思があるにもかかわらず病気などで就労不能な期間の生活を支えるための制度です。ご自身の病状がすぐに回復して求職活動に戻れるのか、長期療養が必要になるのかによって手続きや受給できる手当が変わるため、症状が回復し次第、ハローワークへ申告しましょう。
待期期間が終わったらすぐにアルバイトをしてもいい?
7日間の待期期間を終えた後すぐにアルバイトをすること自体は可能です。ただし、失業手当(失業保険)受給中も1日4時間以上働くと、その日数分が繰り越されます。
また、週20時間以上働くと「就職した」と見なされ受給資格を失う可能性があります。待期期間明けであっても、制限なく働けるわけではない点に注意しましょう。
まとめ
失業手当(失業保険)の待期期間は、離職理由にかかわらず全員に適用される「7日間の失業状態を確認する期間」です。原則として就労は控え、求職活動の準備期間となります。
待期期間終了後は、失業認定日に向けて求職活動の実績が必要です。効率的に進めるなら「doda」の活用をおすすめします。dodaでの求人応募はもちろん、プロによるキャリアカウンセリングや転職セミナーへの参加も求職活動実績としてカウントされます。dodaを活用してスムーズな失業手当(失業保険)の受給と納得のいく転職を実現しましょう。
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この記事を監修した社会保険労務士
北 光太郎(きた・こうたろう)氏
きた社労士事務所 代表 大学卒業後、エンジニアとして携帯アプリケーション開発に従事。その後、社会保険労務士資格を取得し、不動産業界や大手飲料メーカーなどで労務を担当。労務部門のリーダーとしてチームマネジメントやシステム導入、業務改善などさまざまな取り組みを行う。2021年に社会保険労務士として独立。労務コンサルのほか、Webメディアの記事執筆・監修を中心に人事労務に関する情報提供に注力。読者に分かりやすく信頼できる情報を伝えるとともに、Webメディアの専門性と信頼性向上を支援している。
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