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Age28 〜28歳から、今の私につながるキャリア〜

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掲載日:2015年6月29日

遠回りや失敗だと感じていたことが目指すキャリアへの扉を開く鍵に

国連世界食糧計画(WFP)の職員として国際協力の分野で活躍する田島麻衣子さん。新卒で入社した会計事務所を辞め、大学院留学などを経て、国連職員になる夢をかなえたのが、ちょうど28歳前後のころでした。大学時代、バックパック旅行で訪れたフィリピンで見た貧困層の現状が忘れられず、その強烈な原体験が、退路を断って目標に挑戦する後押しになったと言います。「それまで遠回りをしていると感じていたことが、実は近道だったんです」と振り返る田島さんにお話を伺いました。

国連職員田島 麻衣子さん

青山学院高等部終了、青山学院大学国際政治経済学部を卒業後、新日本監査法人国際部(KPMG)に入社。かねてから希望していた国連職員になる目標をかなえるために退職し、オックスフォード大学院への留学などを経て、2006年から国連世界食糧計画(WFP)に勤務。イタリア本部で業務に携わった後、07年からラオスで学校給食プロジェクトに参画。11年から再びイタリア本部に勤務し、モニタリング評価、プロジェクトの予算分析などを担当。現在はアルメニア共和国在住。これまでアメリカ、イギリス、フランス、イタリア、ラオス、アルメニアに日本を加えた7カ国に住んだ経験を持ち、60カ国以上の同僚と仕事をしてきた。著書に人づき合いのヒントや英語スキルの向上法をまとめた『世界で働く人になる』(アルク刊)がある。東京生まれ。

~28歳の時~ 人生をかけて手に入れたいのは車やマンションか?
仕事に追われる日々の中で膨らんだ疑問

大学卒業後に就職したのは、世界四大会計事務所の一つに数えられる大手企業でした。実を言えば、強く志望して入ったわけではなく、大学在学中に1年間アメリカに交換留学している間に就職活動の時期を逃し、限られた選択肢から選んだというのが正直なところです。それでも働き始めると仕事は面白く、土日返上で働く多忙な日々が続きました。その一方で、心のどこかで「本当にやりたいことは別にあるのではないか」という思いもあって。大学時代、バックパック旅行で訪れたフィリピンで、スモーキー・マウンテンに暮らす人々の貧困の実態を目の当たりにして以来、私にできることは何だろうと自問し続けていたからです。会計事務所では、同僚との息抜きの話題はもっぱら、次のボーナスの使い道について。でも、私が人生のすべてをかけて手に入れたいものは、決して車やマンションではないはず…。そう気づいた時、国際協力の仕事に携われる国連職員を目指そうと決意が固まりました。

国連職員になるためには何が必要なのかを調べ、自分に不足している現場経験や語学、専門知識を身につけようと、まずは、海外難民の支援をするNGO団体に勤務。その後、イギリスのオックスフォード大学院に留学しました。退路を断ち、目標に向かってがむしゃらに突き進む毎日でしたが、先が見えない暗闇を手探りで前に進むしかない怖さや不安は常につきまといました。救いだったのは、目指すべきゴールがはっきりしていたことです。不安に駆られた時こそ勉強に打ち込み、目標に集中することで気持ちを紛らせました。念願をかなえ、国連WFPで働き始めたのが28歳前後のころです。人生の大きな分岐点になりましたね。

常に心に刻まれていたのはフィリピンで見た光景。「過酷な環境で暮らす子どもたちの、どこか狂気をはらんだような目は忘れられません。その原体験があったからこそ、国際協力の道に進もう、そのためには何でもやろうと決心がつきました」

~28歳から今~ 「キャリア優先」と「プライベート優先」を行ったり来たりのジグザグ人生

2006年から働き始めた初任地は国連WFPのイタリア本部でしたが、現場に出たいという気持ちは強くありました。希望がかない、翌年の07年からラオスで学校給食プロジェクトに携わることに。そこで思わぬ壁にぶつかりました。私よりも現場経験がずっと豊富で、なおかつ国籍もさまざまな先輩職員たちを、私がマネジャーとして束ねることになったのです。役目を果たさなければと気負って仕事に臨むものの、どうしても「経験の少ない私の言うことを聞いてくれるだろうか」「私のことを嫌いなのでは」と不安を感じてしまい、なかなか信頼を得ることができません。

行き詰まり悩んだ時、ふと浮かんだのが、オックスフォード留学中に経験した8人でこぐボート競技でした。こぎ手が互いの国籍や体格の違いに気をとられているうちは、なかなかうまく漕げなかったのが、ある時全員が進行方向に視線を据えて呼吸が合った瞬間、フッと水面から浮き上がり加速する手応えを感じたのです。その時の経験を思い出し、個々の職員の国籍や年齢、経験などの違いにとらわれず、同じ目的を持って集まっているチームであることを意識して仕事に取り組むようにしたところ、徐々に信頼を得られるようになりました。「個人」ではなく、共通の「ゴール」に意識的に目を向けることは、価値観も文化も異なる世界中の人々と働く上では、特に大切だと実感しています。

もう一つキャリアの転機となったのは、30代半ばで結婚したことです。国連職員は基本的に2、3年のスパンで世界を転々とするため、プライベートとどう両立すればいいのかとても悩みました。考えた末に出した答えは、そのときどきの状況に合わせてキャリアとプライベートの優先順位を変えながら、長い目で見てトータルにバランスを取ることでした。それまではキャリア一筋で進んできましたが、結婚後はキャリアを一時停止することを選び、夫と暮らすためにアルメニアへ移住。そこで拙著『世界で働くひとになる!』を執筆する時間に恵まれました。幸いにもその後、WFP本部から在宅業務のオファーがあり、アルメニアに住みながらメールやインターネットを使って、各国に散らばるチームメンバーと仕事をしました。

この先も、「キャリア優先」と「プライベート優先」を行ったり来たりのジグザグ人生が続くでしょうが、これが私のワークライフバランスなのだと思っています。

2015年5月のdoda女性のための転職フェアで「自分の可能性をグローバルに高めるヒント」をテーマに講演する田島さん。会場は女性で満員に

~28歳の働く女性へのメッセージ~ 自分が選んだ道を主体的に信じて進むことで
それは「最善の選択肢」になる

私が転職という人生の大きな節目を経て気づいたのは、これまで遠回りや失敗に思えたことにも、すべて意味があったという事実です。会計事務所で働いていたころは「初めから国連職員になる努力をなぜしなかったんだろう」という後悔もあり、この選択は失敗だと思っていました。ところが国連の面接では、会計士として働いていた経歴が評価され、結果的に、夢への近道になったのです。在宅勤務の仕事も、会計士としてのバックグラウンドがなければオファーされなかったでしょうし、ここでも以前の経験に助けられています。

キャリアアップを目指す道程では、自分の選んだ道が遠回りではないかと悩む場合があるかもしれません。でも、何が遠回りで、何が失敗かは、直近の結果で判断できるものではなく、私のように何年か後になってそれが価値を発揮することもあります。目標やゴールに至るまでの道筋は、いろいろあっていいはずです。一見、遠回りや失敗に思えても、それが実は後々、大きな意味を持つこともあるんですよね。

誰しもキャリアや人生において、難しい選択や決断を迫られる場面があると思います。選ぶ基準は人それぞれですが、私の場合「恐れ」を選択基準にしないようにしています。「これを選ぶのは怖いから別の方を選ぼう」というのだと後悔が伴いがちです。選択肢のどれを選んでも、必ずそれぞれにメリットとデメリットがあり、「完璧な選択」はないと思っています。大切なのは、自分が選び取ったものを、最善だと信じて前に進んでいくこと。つまり、「完璧な選択」はなくても、自分自身の主体的な姿勢によって「最善の選択」は実現できると思うのです。

仕事で最も意識しているのはチームワーク。「今の仕事は、互いを信頼し合いチームとして機能することが不可欠。普段から感謝の気持ちを積極的に言葉に出して伝えるようにしています」

今、28歳の自分にアドバイスをするとしたら?

仕事を辞めてから国連職員になるまでの間は、先が見えず、暗闇の中でもがき苦しむこともありました。そんな当時の自分に、「今は苦しくても、悩んだことは決して無駄にはならないよ」と伝えたいですね。目の前に与えられたことを一つひとつクリアしていくことで、点は線となってつながり、その先に続いていくのだと、今振り返って実感します。あの時、頑張って良かったと心から思っています。

編集後記

「世界中の人と働く中で、礼儀正しく仕事も的確な日本人女性は、ポテンシャルが非常に高いと気づきました。ぜひ自信を持って活躍の場を広げてほしいですね」とエールを送る田島さん。人とのつながりを大切にする姿勢や、朗らかな人柄が印象的で、世界を舞台に活躍するしなやかな強さに魅了されました。

The views expressed herein are those of the speaker and do not reflect the views of the United Nations World Food Programme.
本記事に記された見解は話者個人のものであり、国連世界食糧計画の見解を何ら反映するものではありません。

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「自分らしいキャリアを生きる」先輩からのメッセージ

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