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Age28 〜28歳から、今の私につながるキャリア〜

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掲載日:2016年11月21日

働くママにとって、地域のつながりはセーフティネット
当事者としてそれを実感した28歳での奮闘の日々

女性が家族・仕事・地域コミュニティの3つを大切にしながら働ける場所づくりを目指して、2016年5月に千葉県流山市に開設されたシェアオフィス「Trist(トリスト)」。代表の尾崎えり子さんは、株式会社新閃力(しんせんりょく)の代表取締役としても、「子ども」と「女性」のキャリア教育をテーマに課題解決を図るさまざまなプロジェクトを展開しています。「今の活動につながる私の人生最大のターニングポイントは、最初の出産を経て復帰した28歳なんです」と語る尾崎さんにお話を伺いました。

Trist 代表/株式会社新閃力 代表取締役尾崎 えり子さん

1983年香川県生まれ。早稲田大学法学部を卒業後、経営コンサルティングを手掛ける株式会社リンクアンドモチベーションに入社。ベンチャー企業経営者への組織人事コンサルティング営業や、大手企業へのIRコンサルティング営業に携わり、在籍4年で2度の優秀社員賞を受賞。2010年、スポーツデータバンク株式会社へ転職。子会社のキッズスポーツクリエーション株式会社の設立に参画し、執行役員として幼児向けのスポーツ通信教材の開発に従事。第1子の育休から復帰後、代表取締役に就任。第2子の育休を経て退職し、14年7月に株式会社新閃力を立ち上げる。地元の千葉県流山市を中心に、ママや子どもの力をビジネスの実益に活かす新規事業プロデュースを展開。長男(5歳)と長女(3歳)を育てるワーキングマザー。

~28歳の時~ 仕事に思い切り没頭できた独身時代から一転
会社にもわが子にも罪悪感を覚えることに

犯罪に走る子どもたちを救う弁護士になりたくて、大学では法律を専攻しました。学ぶ過程で見えてきたのは、法律は決して万能ではなく、その子を取り巻く環境が変わらない限り、再犯を防ぐのは難しいという現実でした。子どもたち自身が「自分でお金を稼ぐ力」や「居場所をつくる力」を身につけることが大切で、それを子どもたちに伝えるためには、まずは私自身が「稼ぐ」とは何かを知らなければいけない。そう考えて、「稼ぎ方」の知見を多く得られそうな経営コンサルティングの会社に就職しました。1年目からがむしゃらに働いて分かったのは、努力して結果を出すほどに、仕事をする上での自由度は広がるということ。仕事がどんどん面白くなっていきました。最初の転機は26歳で結婚したことです。この先、子どもを産むという経験が、何か価値につながるような企業や事業に関わりたいと考えて、転職を選びました。

転職先の企業は、幼児向けのスポーツ通信教材を開発する子会社をちょうど新たに立ち上げるタイミングで、私はそこに参画することになりました。入社後は執行役員として、新会社の立ち上げと新製品の開発に奔走し、その後1人目の子どもを妊娠・出産。1年間の育児休業を経て職場に復帰したのが28歳の時です。

育休に入る前の時点ですでに、スポーツ通信教材は開発の段階を終え、商品化もされていました。ところが私自身が母親となって改めてその商品を見直した時に、「これは“ママ”たちの求めているものとは違うな」と気づかされました。もちろん商品開発の際は多くの“ママ”にヒアリングを行いましたし、そこでの意見を反映した商品を作ったはずでした。しかし“ママ”たちの気持ちを真に理解するには至っていなかったのです。例えば私は子どもを産むまで、母親というのは子どもから片時も離れずに成長を見守りたいものだと考えていました。でも実際には、四六時中1対1で子どもと向き合う生活は苦悩があり、私が心から欲したのは1人になれる時間でした。でもそれを口に出してしまうと母親失格だと思われそうで、本心を人には明かせない。ヒアリングでは聞き出せない“ママ”たちの本音やライフスタイルがあることに、自分自身が「当事者」となって初めて気づいたのです。

また、育児と仕事の両立は想像以上に大変なことでした。片道1時間半かけて会社に着いた途端、保育園から子どもが熱を出したと連絡が入り、トンボ返りすることもありました。連日の寝不足で仕事の効率は上がらず、子どものことを「私のキャリアを邪魔する存在」とすら感じるように。会社に対しても子どもに対しても罪悪感が募り、心身ともにつらい時期が続きました。今の仕事につながる「ママの視点」という強みを手に入れた一方で、仕事と育児の両立の厳しさに直面した28歳は、私のキャリアにおける一番のターニングポイントだったと思います。

育児と仕事の両立に苦しみながらも、「いよいよ面白くなってきたな」という気持ちもあったそう。「社会に認められたいという承認欲求が私はすごく強いんです。ママになっても仕事で結果を出すことができれば、社会にインパクトを示せるし、新しいイノベーションを起こせるかもしれないと感じていました」

~28歳から今~ 地元で働く方法を模索して行き着いた
自ら会社を立ち上げるという選択

第2子の育休中に所属組織の再編があり、別の部門に復職する道を打診されましたが、自宅を拠点に業務委託の形で仕事を続けることを選びました。複数の企業から仕事の依頼が来るようになったのですが、ママでフリーランスという立場では、趣味でやっていると捉えられることも多く、正当な報酬をもらえないこともありました。取引先と対等な関係を築くために、事業の中身はまだ固まっていませんでしたが自分で会社を立ち上げることに決めました。それが株式会社新閃力です。

その後、寄せられる依頼に応えて、ママ向けの新商品に意見を出したり、民間学童保育のプロデュースを行ったりする中で、次第に「子どものキャリア教育」と「女性の就労支援」が事業の2本柱に定まっていきました。「稼ぐ力」を子どもたちに伝えたいという思いは変わらず強くありましたが、ここに来て、ママたちの働き方を変えていくほうが大切ではないかと思うようになりました。ママに「稼ぐ力」があるかどうかは、子どものキャリア観や発想力に大きな影響を与えます。遠回りに思えてもまずはママを変えていくほうが、結果的により多くの子どもたちに、私の伝えたいことを届けられると考えたのです。

働くママを支援する方法として私が選んだのは、従来のワークとライフの2軸ではなく、そこに地域コミュニティを加えた3つのバランスの実現を図ることでした。私自身も保育園に子どもを預けられないときに近隣のおばあちゃんたちに預かってもらうなど、仕事を続ける上では地域コミュニティとのつながりが大きな支えになりました。ただ、都内に通勤していると、地域と関わる時間はなかなか確保できません。地域コミュニティはお金では買えないので、しっかりと時間をかけて信頼関係を結ばなければなりません。ならば、仕事と地域コミュニティの活動を同時にできる場をつくろうと、2016年5月に流山市内にシェアオフィス「Trist」を開設しました。企業のサテライトオフィスとしても活用してもらうことで、子育て中のママが都内に通勤しなくても、地元で働くことが可能になりました。また、翻訳家やデザイナーなどフリーランスの方々や元学校の先生や看護師さんなども集まり、さまざまな経験やスキルを持った人たちと交流しながら働くことで、仕事の効率がアップし、地域のネットワークも強まります。それが、在宅ワークやノマドワークとの違いです。

女性は子どもを産むと、「子育てをしながらママとして何ができるか」という考え方になりがちです。そうではなくて、「自分がやりたいことは何か」をまず考えて、「それをかなえるためにはどんな方法があるのか」を工夫する発想が大切だと私は思っています。「My first(自分を先に考える)」ことによって、ママができることの選択肢や可能性は大きく広がるからです。Tristでの出会いや交流を経て、良い意味でそうした自分本位の考え方へと発想を転換し、行動範囲を広げたママもたくさんいます。ママたちがそうやって、自分で稼ぐ力や、自分で活躍の場をつくる力を高めていくことが、やがては子どもたちの価値観に変化をもたらし、未来を変えることにつながっていくと信じています。

子ども向け・ママ向けの新規事業プロデュースも多く手掛けている。「経営コンサルタントの経験や会社立ち上げの経験に加えて、市場調査ではつかみ切れない『ママの視点』や『ママの本音』を実感として持っていることが、私の強みです」

~28歳の働く女性へのメッセージ~ 失敗の経験も、必ず未来に活かせる強みになる
自分から「失敗を取りに行く」気持ちでチャレンジを

私は根っからの負けず嫌い、かつ目立ちたがり屋で、会社員時代も社内で1番をキープしたくて突っ走ってきました。やりたいことは自分から手を挙げて、チャンスをつかみ取ることも常に意識してきました。いま私が子育てをしながら、限られた時間の中でも事業で成果を上げることができているのは、あのころに必死で築き上げたビジネスの土台の基礎力と人脈があるからです。20代のうちに自分が出せる最大の力で仕事に打ち込んだ経験は、その後の人生において、ライフイベントなどで思い通りに働けなくなった際にも必ず自分の助けになるはずです。

20代の働く女性にもう一つ伝えたいのは、失敗を恐れる必要などまったくないということです。人間は失敗して当たり前なのに、「失敗して『だから女性は』と言われたらどうしよう」などと考えて、挑戦を避けてしまいがちです。失敗とは、決して何かを失うことではなく、その逆で、未来に活かせる経験を自分の中に一つ増やすこと。だから自分から「失敗を取りに行く」という気持ちで、新しいことに果敢に挑んでほしいと思います。

働く女性にとって地域コミュニティが大切だと触れましたが、20代ではピンと来る人はまだ少ないと思います。私自身、子どもを産むまでは流山に友達は1人もおらず、自宅は寝に帰る場所に過ぎませんでした。でもこの先、子育てや介護、あるいは予期せぬ自然災害など、自分の力ではコントロールし切れない状況に直面したときに、セーフティネットとして真価を発揮するのは地域コミュニティなのです。それをぜひ心の片隅にとめておいてください。それに、地域コミュニティとのつながりを深めることは、仕事のスキルアップにも結び付きます。なぜなら、年齢も所属も考え方も異なる人たちが集う地域コミュニティは、コミュニケーション能力を鍛え、多様性への理解を深めるのにもってこいの場。グローバル時代に必須のビジネススキルを磨くチャンスが、実は身近なところにあることを知ってほしいですね。

Tristでのさまざまな試みを「仕組み化」していくことが当面の目標。「将来的にはTristを、地方創生にもつながるサービスとして、全国の自治体へ展開していきたいと考えています」

今、28歳の自分にアドバイスをするとしたら?

万能な人間なんていないのだと、もっと早くに気づけたら良かったなと思います。当時は、人に頼ることは自分の能力不足を認めてしまうことだと感じて、仕事も育児も家事も全部1人で抱え込んでいました。ある時ついに限界が来て夫に助けを求めたら、「えっ、そんなに大変だったの」と言われて拍子抜けしたのを覚えています。「周りに助けを求めることは何も恥ずかしいことではないし、誰もあなたを責めたりしない」。それをあのころの私に言いたいけれど、28歳の私はきっと「私なら大丈夫」と強がるでしょうね。

編集後記

「たとえるなら、仕事という大きな魚を東京から獲って来る漁師ですね」と、Trist代表としての自らの役割を語る尾崎さん。その魚を、Tristに関わる1人1人がアイデアや特技を持ち寄って調理し、さらなる価値を生み出していきます。Tristのような場が私の住む街にもあれば!と切望する女性は、きっと多いはずです。

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「自分らしいキャリアを生きる」先輩からのメッセージ

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