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Age28 〜28歳から、今の私につながるキャリア〜

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掲載日:2016年1月18日

21世紀のキャリアは「山歩き」のように
どう生きるのかを考えながら人生を味わって

肩書や仕事の領域を決めず、フリーランスとして幅広い活動を展開しながら「新しい働き方」を追求する安藤美冬(あんどうみふゆ)さん。執筆業、講演活動、大学専任講師、プロデュース業など、多種多様な仕事を手がける独自のノマドワークスタイルが注目を集め、近年は海外にも活躍の場を広げています。出版社に勤めていた会社員時代、そして独立後と、さまざまな不安や迷いと正面から向き合う中で安藤さんが見つけた、「人生をどう歩くのか」を考える、自分らしいキャリアの切り開き方を語っていただきました。

株式会社スプリー代表安藤 美冬さん

株式会社スプリー代表。1980年生まれ、東京育ち。慶應義塾大学在学中にアムステルダム大学に交換留学を経験。株式会社集英社に新卒入社後、ファッション誌の広告営業と書籍のプロモーション業務を経て2011年に独立。組織に属さないフリーランスとして、ソーシャルメディアでの発信を駆使した肩書や専門領域にとらわれない独自のワーク&ライフスタイルを実践する。雑誌「DRESS」の「女のための女の内閣」働き方担当相、ウェブメディア『TABI LABO』エッジランナー(連載)、越後妻有アートトリエンナーレオフィシャルサポーターなどを務めるほか、商品企画、大学講師、コメンテーター、広告&イベント出演など幅広く活動中。著書に『冒険に出よう』、『20代のうちにやりたいこと手帳』(いずれもディスカヴァー・トゥエンティワン)、共著に『会社を辞めても辞めなくてもどこでも稼げる仕事術』(SBクリエイティブ)などがある。
公式サイト:http://andomifuyu.com/

~28歳の時~ どん底を経験して初めて気づいた
目の前の仕事に全力を注ぎ込むことの大切さ

私は学生時代に就職活動を3回しています。1回目は、大学3年から4年にかけての一般的な就活シーズンです。この時は就職活動もしたのですが、オランダ・アムステルダム大学への交換留学が決まり、4年次から1年間留学することにしました。2回目は帰国後、大学5年目の夏で、秋採用試験を何社も受けたものの結果は全滅。そして3回目が、大学5年目の後半から6年目にかけて。この時に集英社に内定をもらうことができました。3年に及ぶ就職活動の中で、自分のキャリアについて嫌というほど考えては迷い、将来像を描き続けたことは、出発点としてすごく大きな経験だったと感じます。

晴れて社会人になったのですが、それまで自分の将来を考えることに人よりも多くの時間を費やしてきたせいか、会社の生活にすんなりと満足できない日々を過ごしていました。「本当に私の居場所はここなのだろうか」という迷いが消えず、その一方で「本が好きで、メディアに興味があって、世の中から見ても面白そうな仕事をしているのだから、今の自分に納得しなきゃ」という焦りを感じていたのです。モヤモヤを抱えたまま仕事を続けるうちに、根を詰めて考えすぎてしまう性格も重なって、26歳の時には抑うつ状態と診断され、半年間休職しました。

職場に復帰し、入社時から希望していた宣伝部に配属された時、心に決めたことがあります。「ぬぐえない疑問や違和感はひとまず置いておいて、今は目の前の仕事に全力投球しよう」ということ。それまでは心のどこかで根拠のない優越感や会社への不満を持っていたものの、本当は自分のことも会社のことも何も見えていなかったことに、どん底を経験して初めて気づいたのです。それに、最悪な時期の私を見捨てずにいてくれた職場の人たちへの感謝や安心感も、全力で仕事をしようという決意につながりました。

全力投球すると決めてからは、担当する本を宣伝するために、思いつく方法をすべて実行しました。フリーペーパーの発行元を1社1社回って広告の枠を取ったり、本のPRコラムを連載させてもらったり。ラジオやテレビの関係者を訪ね、担当する本の宣伝を頼んだこともあります。自分の頭で考えて、ほかの人がまだやっていない分野を一つひとつ開拓していきました。そうした小さな積み重ねが、後に社長賞という結果につながったと思います。受賞したのが28歳のときです。まさに”水を得た魚”のように仕事に打ち込んでいましたね。

当時影響を受けたのは2年先輩の女性社員です。自分のやりたいことをかなえながら、成果も出していく仕事ぶりを見て、「やりたい仕事というのは、運良く降ってくるものではなく、仕事に対し妥協しない意思のもとに自分でつかみとるものなのだ」と教えられました。

~28歳から今~ キャリアは「山登り」だけじゃない
道のりそのものを味わい楽しむのが21世紀の働き方

20代はさんざん迷ってきましたが、それは大事な時間でした。今思うと、「私にはこれができた」と言えるもの、自分の仕事だと思えるものを一つでも作っておいたことが、その後のキャリアの分岐点になったと実感しています。自分がいるべき場所はどこなのか、自分には何が向いているのかに悩み続け、「仕事と自分」という関係から逃げなかったことが、30代の私を大きく飛躍させてくれたのです。

これまで、キャリアや人生は「山登り」にたとえられることが多く、例えば「28歳までに五合目を登って、キャリアの下地を作り、7合目で結婚して年収をいくらくらいもらって、8合目で出産して、10合目で女性としてこんな完成形になりたい」というように、より高い報酬やポジション、専門性を手に入れながら「頂上」を目指すイメージだったと思います。それは間違いではないけれど、21世紀のキャリアの作り方は「ワンダーフォーゲル」に近いのではないでしょうか。ワンダーフォーゲルは頂上を目指す山登りとは違い、山から山を渡り歩く過程自体に意味を見出す「山歩き」です。山登りからワンダーフォーゲルへの変化を、私は「キャリアアップからキャリアスライディングへ」と呼んでいます。

もっとキャリアに迷ってもいいし、キャリアからキャリアへ、転職などを繰り返してもいいと思うんです。山歩きの途中で、時にはゆっくり休憩したり、「やっぱりあの山に行こう」と行先を変えたり、迷い歩いたっていい。ただし、キャリアスライディングで大切なのは、その道の途中で考えながら、自分自身の人生を味わっていくこと。「自分とは何だろう」「仕事とは何だろう」と、自分の歩き方を一生かけて考えていくことだと思います。山に例えるなら「どの山を登るのか」、すなわち何をするのか、どの職業に就くのかだけではなく、人生を「どう歩くのか」を考えるべきだということです。人生の地図の中で「どう生きるのか」という問いがあって、ライフステージはその中に入ってくるのだと思います。

私の場合も30代が近づいてくる中で、「これからどんなふうに生きていきたいのか」を見つめ直したことが、次のステップへと進む起点になりました。振り返れば、私は父親が世界史の教師で、祖母がマレーシア生まれということもあって海外の話題が自然に出てくる環境で育ち、「自分って何だろう。世界はなんて広いのだろう」と思う10代を過ごしていました。16歳の時に魯迅に惹かれて中国を訪れたのを皮切りに、「世界青年の船」(内閣府実施の青年国際交流事業)への参加や留学、バックパッカー旅行などを通して世界各地を訪れるようになり、これまで55カ国くらいに行っています。私にとって、いろいろな場所を渡り鳥のように訪ね歩くこと、つまり移動することや旅をすることは人生の一部であり、最優先事項の一つなのです。それを踏まえてどういう仕事をすべきかを考えた結果が、場所や肩書に縛られることなく、いろいろな国を旅しながら、興味の赴くままにいろいろな活動に携わっていくということでした。会社員という立場のままではそれを実現できないと感じたことが、フリーランスになるという選択につながりました。現在、独立して5年が経ったのですが、昨年からは海外の仕事も増やしていて、「世界を回りながら仕事をする」という「なりたかった姿」に近づいています。

10代のころの夢は、社会の問題や面白いと思ったことを取材し、世の中に発信するジャーナリストになること。「ピースボート」で講演をしたり、「世界青年の船」に乗船したりと、海外を舞台にした仕事が増えている今、あのころ願ったキャリアが気づけば目の前に開けていた気持ちです。

~28歳の働く女性へのメッセージ~ 「不安」は大切なことを教えてくれる“仲間”
なくそうとするのではなく上手に付き合うことが大切

かつての私がそうだったように、今自分がいる場所に違和感を覚えてモヤモヤしている人もいると思います。その場合には、そもそも自分のいる場所が自分の才能に合っているのか、「適材適所なのか」を考えることが必要です。それで、目の前にある仕事が本当に合わなくて、考えるだけで気分が滅入るとか、失敗ばかりするとか、人間関係が苦しすぎて病気になりそうだという場合、つまり「私はここに合っていない」と本当に思うのなら、会社のためにも自分のためにも、自分で責任を持って、いち早く違う環境に移った方がいいと思います。

でも、明確な答えが出せなかったり、生活のためにどうしてもその仕事をしなければならないのなら、今後のキャリアを考えてみてください。キャリアの作り方には大きく分けて「目標型」と「展開型」の2種類あると私は思っています。目標型は、自分が立てたプランに沿って着実に準備と実行を重ねていく形。それに対して展開型は、「こんな生き方や働き方をしたい」というビジョンは持ちながらも、その目的地への経路は、運や展開に任せてしまう形です。自分自身が前者の目標型であると感じるならば、今の職場で自分が本当に行きたい目標にたどりつけそうかを考えます。目標を立ててもなかなかうまくいかない、あるいは目標に縛られて疲れてしまうという人は、展開型のキャリアにシフトしてみる方法もあります。今はまず目の前のことに一生懸命に取り組み、次の展開に身を任せてみてもいいのではないでしょうか。

20代の自分を振り返ると、感情の8割は不安が占めていたように感じます。宣伝部で仕事に打ち込んでいた時も、原動力は「一生懸命にやっていないと、またどん底の苦しい自分に戻ってしまう」という不安でした。でも、不安は仲間でもあります。不安があるからこそ物事に真剣に向き合えますし、不安は自分にいろいろなことを知らせてくれるシグナルにもなるからです。例えば、何かに挑戦するときに不安を感じるのは、それが自分にとってとても大切なことで、本当にそれをやりたいと思っているからだという場合があります。どうでもいいことなら不安にはならないですよね。人間の感情として不安が完全に消えることはないのだから、上手に付き合いながら、人生に欠かせない要素として味わってほしいと思います。

仕事ついてどれだけ迷ってもいいけれど、最後に決めるのは自分です。楽園を探す旅に出た人が、やがて「ここが自分の楽園だ」と決めて住み着くように、ほかの誰でもなく自分で決めるべきこと。そこに至るまでの迷いの過程も含めて、人生を自分のものとして引き受けることが大切だと思います。

今、28歳の自分にアドバイスをするとしたら?

「過去の自分には戻りたくない」という不安を原動力にして仕事に打ち込んでいたころの私に言いたいのは、「先が見えなくても、自分が信じた道を進んで」ということ。目の前の仕事に全力投球していたあの日々が、今の私の糧になっていると思えるからです。28歳以降も迷うことはたくさんあって、面白いと思っていた仕事に物足りなさを感じるようになったり、これだと思っていた道にまた違和感を覚えたりと、立ち止まる場面もありました。でもそれも含めて、山歩きの道のりを一歩一歩味わってきたことは、すべて無駄ではなかったと感じています。

編集後記

女性のキャリアデザインをテーマに大学で講義をしたこともある安藤さん。「ワンダーフォーゲルのようにキャリアの過程を楽しんで」「展開に身を任せるキャリアのつくり方もあっていい」というお話を学生時代に聞けたなら、社会に出ることに対してきっとポジティブな気持ちになれるはず。教わる学生さんたちをうらやましく思います。

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「自分らしいキャリアを生きる」先輩からのメッセージ

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