あなたは今、副業をしていますか?
副業している人は2割。2年前の3分の2に減少
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現在、副業をしているかを聞いたところ、副業をしていると回答した人は20.1%。リーマンショックによる給与やボーナスの減少を補うために、副業をする人が増えた2009年と比較すると、3分の2に減少しました。この背景には、「景気の回復により残業が解禁され、副業をする時間がなくなった」、「給与・ボーナスがリーマンショック前に戻り、副業をする必要がなくなった」、といったことが考えられます。
一方、副業をしている人の中には、「景気や会社の業績に収入を左右されないために副収入源を持っておきたい」、「自身のスキルや特技を副業に活かしたい」、といった意見も見られました。
副業の収入、使い道、内容は?
副業の収入、平均4.3万円
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副業をしているという人に、副業の月収を聞いたところ平均4.3万円で、2009年の4.2万円とほぼ変わらない結果となりました。内わけを見ると、1万円台が最も多く23.8%、次いで2万円台の21.3%が続き、3万円台以下が全体の60%を占めています。
一方、10万円以上の割合は11.9%で、最も高い人は「FXで月300万円の収入がある」という回答も見られました。
収入の使い道、「趣味・娯楽」が1位
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副業収入の使い道を聞いたところ、「趣味・娯楽費(44.4%)」が最も多く、「生活費」という回答が最も多かった2009年とは、副業の目的も変化しているようです。男女別に見ると、男性は「趣味・娯楽費」という回答が女性より10ポイント以上高く、一方女性は「生活費」の割合が男性より約10ポイント高いことがわかりました。
最も多い副業は「サービス業(接客・販売)」収入が最も高いのは「株/FX」
次に、副業の内容について聞いたところ、最も多かったのは「サービス業(接客・販売)」の28.9%、次いで「ホームページ・CGなどの制作(9.3%)」でした。男女別に見ると、男性は上記の他に、「ネットビジネス(通販・アフィリエイト)(10.3%)」、「警備/軽作業(10.3%)」などが多いようです。一方女性は、サービス業の割合が43.1%と非常に高く、次いで「病院事務/薬局業務(11.8%)」、「コールセンター(9.8%)」が続きます。
また、平均月収を見てみると、最も高いのは「株/FX」の51.6万円、次いで「ホームページ・CGなどの制作(9.5万円)」が高収入の副業のようです。一方、月収が低いのは「事務作業(1.8万円)」、「チラシ配り(2.3万円)」、という結果になりました。
【どのような副業をしていますか?】
副業の内容 | 割合 | 平均 月収 |
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総計 | 男性 | 女性 | ||
サービス業(接客・販売) | 28.7% | 19.2% | 43.1% | 5.9万 |
ホームページ・CGなどの制作 | 9.3% | 10.3% | 7.8% | 9.5万 |
ネットビジネス(通販・アフィリエイト) | 8.5% | 10.3% | 5.9% | 3.2万 |
病院事務/薬局業務 | 8.5% | 6.4% | 11.8% | 2.5万 |
講師/家庭教師/試験管 | 6.2% | 7.7% | 3.9% | 5.0万 |
警備/軽作業 | 6.2% | 10.3% | 0.0% | 2.9万 |
製造/土木作業 | 6.2% | 6.4% | 5.9% | 5.0万 |
株/FX | 5.4% | 7.7% | 2.0% | 51.6万 |
運送/配達 | 5.4% | 7.7% | 2.0% | 5.5万 |
PC・回線設定/プログラミング | 4.7% | 7.7% | 0.0% | 3.5万 |
コールセンター | 3.9% | 0.0% | 9.8% | 3.6万 |
事務作業 | 3.9% | 1.3% | 7.8% | 1.8万 |
チラシ配り | 3.1% | 5.1% | 0.0% | 2.3万 |
副業しているのはどんな人?
【男女別】男性より女性の方が副業に積極的
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副業をしている人を男女別に見てみると、男性が17.4%に対して女性は27.9%と、約10ポイント高いことがわかりました。これは、平均年収や残業時間の男女差が、要因の一つとして考えられます。
今回の調査対象の平均年収は、男性が515万円、女性は384万円で、収入がより少ない女性の方が副業に積極的だと考えられます。さらに、平均残業時間を見てみると、男性の30時間に対し、女性は20時間と残業が少ないことから、仕事後に副業する時間をとりやすいのかもしれません。
【職種別】医療/介護、クリエイティブ職が副業に積極的
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次に、職種別に見てみると、副業をしている人が多いのは「医療/介護職(37.9%)」と、「クリエイティブ職(37.3%)」ということがわかりました。この2職種は、本業で培ったスキルや経験を活かして副業を行う人が多いようです。医療/介護職は、「本業以外の薬局・病院・福祉施設でアルバイトをしている」、クリエイティブ職は、「ホームページ・CGなどの制作を個人で請け負っている」、という回答が目立ちました。
一方、副業をしている人が少ないのは、「企画/事務職(13.0%)」、「IT系エンジニア(13.4%)」、「機械系エンジニア(13.6%)」の3職種です。企画/事務職、機械系エンジニアは、会社が副業を禁止しているという場合が多いようですが、IT系エンジニアについては、副業をしたくても本業が忙しくてできない、という人が多いようです。
本記事は、副業の実態について調査・分析したものであり、副業を推奨するものではありません。
副業は就業規則で禁止されている場合、行うことができませんのでご注意ください。
調査概要
25〜39歳の正社員として就業しているビジネスパーソン800人を対象に、副業に関するアンケート調査を実施しました。
【対象者】25歳〜39歳のホワイトカラー系職種の男女
【雇用形態】正社員
【対象地域】関東、関西、東海
【調査手法】ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査
【実施期間】2011年3月1日
【有効回答数】800件