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連載 ホンネの転職白書 2026.10.26 公開

社風とは?1,500人に聞いた理想の社風とミスマッチの実態

#価値観 #働き方

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社風とは、企業が持つ独自の文化、雰囲気、価値観などのことを指します。具体的な給与や残業時間、有給休暇取得率などは数値で比較できる一方、社風は見えにくい情報の一つです。しかし、実際には企業選びや働き続けやすさに影響する重要な要素でもあります。働き方や価値観が多様化する今、現代のビジネスパーソンはどのような社風を魅力的だと感じているのでしょうか。また、社風が合わないと感じたことのある人はどのくらいいるのでしょうか。そこで今回は、「社風」をテーマに調査を実施しました。

ザックリまとめると

  • 社風が働きやすさや勤続意向に「影響する」と答えた人は72.2%
  • 理想の社風については、確立された方法で着実に進める「安定重視」が幅広い年代から支持されたほか、中高年層でもフラットな組織文化や「まずは試してみる」進め方への一定の支持が見られた
  • 社風を理由に転職をしたことがある、または転職を考えた経験がある人は57.2%。そのうち64.0%が、社風は転職を考える上で大きな理由だったと回答

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社風とは

社風とは、会社の制度やルールだけでは表せない「その会社らしい働き方や雰囲気」のことです。経営者の考え方や企業の歴史、働く人たちの価値観や行動が積み重なることで、少しずつ形づくられていきます。社員同士のコミュニケーションの取り方をはじめ、仕事の進め方や意思決定の仕方、評価のされ方、仕事への考え方など、日々のさまざまな場面に表れます。

社風は働きやすさに影響する?

まずは、社風が働きやすさにどのくらい影響すると考えられているかを紹介します。社風が働きやすさや、長く働き続けたいと思えるかどうかに「影響する」と答えた人は、全体の72.2%でした。7割以上が影響を感じていることから、ビジネスパーソンにとって、社風は働く上で重要な要素の一つだといえそうです。

年代別に見てみると、「影響する」と答えた人の割合は、40代が76.7%、50代が76.5%となり、ほかの年代よりも高い結果となりました。職場での経験を重ねる中で、社風が日々の働きやすさや勤続意向に与える影響を実感している人が多いのかもしれません。

社風が働きやすさや長く働き続けたいと思えるかに影響するかを調査した結果のグラフ。全体では「とても影響する」が37.3%、「やや影響する」が34.9%、「どちらともいえない」が16.3%、「あまり影響しない」が3.5%、「まったく影響しない」が8.0%。

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現代のビジネスパーソンが理想とする社風とは?

それでは、実際にはどのような社風が求められているのでしょうか。今回は、理想の社風について、社風を構成するいくつかの要素に分けて調査しました。

この調査では、人間関係や仕事の進め方などの各要素について、相反する2つの価値観を両端に示し、「どちらにどの程度近いか」を段階的に回答してもらいました。その結果、多くの質問で「どちらともいえない」という回答が一定の割合を占めた一方、年代によって傾向に違いが見られた項目や、世代を問わず共通して支持された価値観もありました。

例えば、フラットな組織文化や安定した環境は幅広い年代から支持されており、理想の社風には世代を超えた共通点があることもうかがえます。以下では、理想の社風に関する考え方について、全体および年代別の結果を見ていきます。

【人間関係・距離感】親しみのある関係と仕事上の関係、どちらが理想?

全体では「親しみのある関係」が34.2%、「仕事上の関係を中心にした関係」が31.9%となり、「親しみのある関係」を理想とする人がわずかに多い結果となりました。なお、「どちらともいえない」は33.9%で、約3人に1人います。

年代別に見てみると、20代では「親しみのある関係」よりも「仕事上の関係を中心にした関係」を支持する人の割合が高くなりました。一方、年代が上がるにつれて、「親しみのある関係」を理想とする人の割合が高まる傾向が見られます。

職場での人間関係の距離感に正解はありません。ただ、その中でも若い世代では、必要以上に距離の近い関係よりも、仕事を通じた関係を求める人が比較的多いようです。

理想とする社風に関わる人間関係や距離感を調査した結果のグラフ。全体では「親しみのある関係」が6.9%、「どちらかといえば親しみのある関係」が27.3%、「どちらともいえない」が33.9%、「どちらかといえば仕事上の関係を中心にした関係」が23.5%、「仕事上の関係を中心にした関係」が8.4%。

【組織の雰囲気】フラットな文化と役職・年次を尊重する文化、どちらが理想?

全体では「フラットな文化」が42.2%となり、「役職・年次を尊重する文化」の21.0%を上回りました。「どちらともいえない」は36.8%でした。また、年代別に見ても、すべての年代で「フラットな文化」を支持する人の割合が、「役職・年次を尊重する文化」を支持する人の割合を上回っています。

「フラットな文化」を支持する人の割合は、50代が44.5%で最も高くなりました。役職や年次だけで役割や意思決定の範囲を決めることなく、それぞれが意見を出しやすい環境は、年代を問わず支持されているようです。

自由回答で「年功序列」や「古い慣習」に関する不満の声が見られたことからも、組織内の上下関係や文化の在り方は、社風を評価する際の重要なポイントの一つといえそうです。

理想とする社風に関わる組織の雰囲気を調査した結果のグラフ。全体では「役職・年次を尊重する文化」が3.9%、「どちらかといえば役職・年次を尊重する文化」が17.1%、「どちらともいえない」が36.8%、「どちらかといえばフラットな文化」が33.3%、「フラットな文化」が8.9%。

【評価の考え方】プロセス重視と成果重視、どちらが理想?

全体では「プロセス重視」が31.5%となり、「成果重視」の25.9%を上回りました。また、「どちらともいえない」は42.7%で、最も高い割合を占めています。

年代別に見てみると、20代と30代では「プロセス重視」と「成果重視」を支持する人の割合がほぼ同じ水準でした。一方、40代と50代では、「プロセス重視」を支持する人の割合が「成果重視」を上回る結果となりました。

評価の考え方については、いずれか一方に支持が集中しているわけではありません。成果を重視してほしい人もいれば、結果だけでなく努力や成長の過程も評価してほしいという人もいるとおり、理想とする評価の在り方は人によって異なることがうかがえます。

理想とする社風に関わる評価の考え方を調査した結果のグラフ。全体では「プロセス重視」が6.8%、「どちらかといえばプロセス重視」が24.7%、「どちらともいえない」が42.7%、「どちらかといえば成果重視」が22.6%、「成果重視」が3.3%。

【変化への向き合い方】安定重視と挑戦重視、どちらが理想?

全体では、確立された方法で着実に進める「安定重視」が46.1%となり、常に変化や新しい取り組みを歓迎する「挑戦重視」の20.6%を上回りました。また、「どちらともいえない」は33.3%でした。

年代別に見ても、20代を含むすべての年代で、「安定重視」を支持する人の割合が「挑戦重視」を上回っています。特に40代(50.8%)と50代(49.4%)では、約半数が「安定重視」を選びました。年代を問わず、常に新しいことへ挑戦する環境よりも、見通しを持ちながら着実に仕事を進められる環境を理想とする人が多いようです。

理想とする社風に関わる変化への向き合い方を調査した結果のグラフ。全体では「安定重視」が11.6%、「どちらかといえば安定重視」が34.5%、「どちらともいえない」が33.3%、「どちらかといえば挑戦重視」が17.1%、「挑戦重視」が3.5%。

【仕事の進め方・スピード感】慎重に進める文化と、まず試してみる文化、どちらが理想?

全体では「慎重に検討してから進める」が36.9%となり、「まずは試してみる」の28.9%を上回りました。また、「どちらともいえない」は34.3%でした。

年代別に見ても、すべての年代で「慎重に検討してから進める」を支持する人の割合が、「まずは試してみる」を支持する人の割合を上回る結果となりました。

また、「まずは試してみる」を支持した人の割合は、20代の25.0%に対して、30代が28.5%、40代が29.8%、50代では31.2%となりました。今回の調査では、年代が上がるほど、まず行動に移し、その後に改善していく進め方を支持する人が増えていくという傾向が見られました。

理想とする社風に関わる仕事の進め方やスピード感を調査した結果のグラフ。全体では「慎重に検討してから進める」が6.8%、「どちらかといえば慎重に検討してから進める」が30.1%、「どちらともいえない」が34.3%、「どちらかといえばまずは試してみる」が24.0%、「まずは試してみる」が4.9%。

実際に「社風が合わない」と感じたことがある人は約半数

現在または過去の勤務先で「社風が合わない」と感じたことがある人は、全体の50.2%でした。

詳しく見てみると、「強く感じたことがある」と答えた人が15.1%、「やや感じたことがある」と答えた人は35.1%となり、合計で約半数が「社風が合わない」と感じた経験があるという結果になりました。

年代別に見てみると、「強く感じたことがある」と「やや感じたことがある」の合計は、20代が43.6%、30代が44.9%、40代が53.8%、50代が56.1%となり、年代が上がるにつれて割合が高まる傾向が見られました。

現在または過去の勤務先で「社風が合わない」と感じた経験があるかを調査した結果のグラフ。全体では「強く感じたことがある」が15.1%、「やや感じたことがある」が35.1%、「あまり感じたことはない」が31.3%、「まったく感じたことはない」が7.1%、「分からない」が11.5%。

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社風が合わないと感じた理由

社風が合わないと感じた理由としては、「人間関係や距離感」「評価制度」「意思決定や仕事の進め方」「従来の慣習」に関する回答が多く寄せられました。以下では、これらのうち一部を紹介していきます。

人間関係や距離感に関する声

人間関係については、距離の近さを求められることへの負担だけでなく、社員同士の関わりが少ないことへの不満も寄せられました。

  • 「人間関係にフレンドリーさを強要される」(40代・女性)
  • 「個人主義すぎてチームワークや会話がほぼない」(20代・女性)
  • 「人間関係について、距離感があまりにも近く疲弊してしまった」(40代・男性)

親しみのある関係と仕事上の関係のどちらが心地よいかは、人によって異なります。自分が望む距離感と職場で求められる関わり方との違いが、社風のミスマッチにつながることもあるようです。

評価制度に関する声

評価制度については、努力や成果が十分に評価されないことのほか、年功序列や成果を重視しすぎることへの不満も見られました。

  • 「目標というノルマがつらかったため」(50代・女性)
  • 「頑張って仕事をしても、しっかりと評価をされない」(20代・男性)
  • 「成果制度がなく年功序列」(30代・男性)
  • 「あまりにも成果重視で、プロセスや実際にやった人のことは無視」(30代・女性)
  • 「成果を出しても人格重視な点についていけなかった」(40代・男性)

成果を出しても納得感のある評価が得られないことに不満を感じる人が多いようです。また、成果とプロセスのどちらを重視するかなど、会社の評価方針と本人の考え方が異なることも、社風が合わないと感じる理由になっていることがうかがえます。

意思決定や仕事の進め方に関する声

意思決定や仕事の進め方については、新しい提案が受け入れられないことや、提案しても実行に移されないことなどへの不満が寄せられました。

  • 「新しいやり方を提案してもまったく受け入れてくれなかった」(50代・男性)
  • 「提案を求められ、提案するが実行されない。改善しているふうが目的になっている」(40代・男性)
  • 「石橋をたたいてたたいて渡る文化」(40代・男性)

慎重さとスピード感のどちらを重視するかに加え、社員の提案がどのように扱われるかも、社風に関係するポイントといえそうです。

従来の慣習に関する声

職場に残る従来の慣習について、その目的に疑問を感じたという声も見られました。

  • 「毎朝、大声で接客用語を読んでいた。必要なのかと疑問に思った」(40代・男性)
  • 「入社したころ、会社の運動会に強制参加させられた」(20代・男性)
  • 「女性だけが掃除などをさせられている」(20代・女性)
  • 「朝と昼の休憩明けにラジオ体操をするなど、古い慣習がある」(20代・男性)

長く続いている慣習だとしても、その目的が共有されていなかったり、参加の仕方が本人の価値観と合わなかったりすると、社風のミスマッチとして感じられることがあるようです。

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「社風が合わない」と感じて転職を考えたことはある?

次に、改めて回答者全員に、社風が合わないことを理由に転職を考えたり、実際に転職したりしたことはあるか聞いたところ、

社風が合わないことを理由に、転職をしたことがある、または転職を考えた経験がある人は全体の57.2%となりました。

詳しく見てみると、「転職を考え、実際に転職したことがある」が20.2%、「現在、転職を考えている」が16.7%、「過去に転職を考えたが、転職はしなかった」が20.3%となりました。これらを合計すると、半数以上が社風を理由に転職を考えた、または実際に転職した経験があることが分かります。

社風が自分に合わないことを理由に転職を考えたことがあるか調査した結果のグラフ。全体では「転職を考え、実際に転職したことがある」が20.2%、「現在、転職を考えている」が16.7%、「過去に転職を考えたが、転職はしなかった」が20.3%、「転職を考えたことはない」が29.7%、「分からない」が13.1%。

さらに、社風を理由に転職を考えた経験がある人に、転職を考える上で社風がどの程度大きな理由だったかを聞きました。その結果、「最も大きな理由だった」が14.6%、「大きな理由の一つだった」が49.4%となり、合計で64.0%が、社風は転職を考える上で大きな理由だったと回答しています。

社風は、企業全体に根付いた考え方や行動の傾向のため、異動を希望するなどの個人の行動だけではミスマッチを解消しにくい場合もあるでしょう。そのため、社風が合わないと感じると、それが転職を考える大きな理由になりやすいのかもしれません。

社風が自分に合わないと感じた経験が、転職でどの程度大きな理由だったかを調査した結果のグラフ。全体では「最も大きな理由だった」が14.6%、「大きな理由の一つだった」が49.4%、「どちらかといえば小さな理由だった」が25.9%、「ごく小さな理由だった」が6.3%、「分からない」が3.8%。

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社風が合わないと感じたときの考え方

社風が合わないと感じたときは、まずその理由を言葉にし、必要に応じて第三者に相談してみましょう。

①なぜ合わないと感じるのか言語化してみよう

人間関係や評価制度、仕事の進め方など、具体的に何が合わないのかを整理してみましょう。自分が仕事で重視する価値観が明確になれば、今の職場で改善できることなのかも考えやすくなります。

自己理解を深める方法として、自分に向いている仕事のスタイルや企業風土などが分かるキャリアタイプ診断を活用するのもおすすめです。

②第三者に相談してみるのもおすすめ

一人で考えていると、悩みの原因や大切にしたい価値観をうまく整理できないこともあります。家族や友人などに話を聞いてもらうほか、転職を視野に入れている場合は、価値観を整理するためにキャリアアドバイザーに相談するのも一つの選択肢です。

社風が合わないと感じた場合の対処法や、転職活動で社風のミスマッチを防ぐポイントについては、以下のページで詳しく解説しています。

社風が合わないことがストレスに…解決方法や転職活動で失敗しないポイントは?

転職の応募先の社風を調べる方法

応募先の社風を調べるには、企業のWebサイトやSNS・ブログを確認するほか、キャリアアドバイザーに聞くといった方法があります。一つの情報だけで判断せず、複数の方法を組み合わせながら、自分が大切にしたい価値観と合うかを確かめましょう。

企業Webサイトをチェックする

企業のWebサイトでは、その会社が大切にしている価値観を確認できます。企業理念(ミッション・ビジョン・バリュー)などをチェックしてみましょう。

また、採用ページには社員インタビューをはじめ、働き方や評価制度、求める人物像などが掲載されていることもあります。

SNS・ブログをチェックする

企業のSNSやブログでは、実際に働く社員の発信を通じて、Webサイトの情報だけでは分かりにくい職場の日常や雰囲気を知ることができます。

キャリアアドバイザーに聞いてみる

自分で集められる情報だけでは応募先の企業の社風を見極めるのが難しい場合もあるでしょう。そのようなときは、キャリアアドバイザーに聞いてみるのも一つの方法です。

キャリアアドバイザーは、企業の採用担当者や実際に転職した人の傾向などから職場の雰囲気や働き方に関する情報を得ていることがあるため、応募先との相性を相談してみるとよいでしょう。

転職活動を始めようかな?と思ったらまずは相談しよう

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doda編集長解説

今回の調査では、理想とする社風について世代ごとの違いが見られた一方で、年代を問わず共通して支持される価値観も多くありました。

例えば、フラットな組織文化は若手だけでなく、ミドルシニアからも支持されています。また、仕事の進め方について「まずは試してみる」を支持する人の割合は、年代が上がるにつれて高くなりました。こうした結果からも、単純に「上の世代ほど保守的」と捉えることはできないでしょう。

近年は、従業員のエンゲージメント向上や人材の定着、キャリア支援などに取り組む企業が増えています。それに伴い、「社風・組織文化」は、企業経営にとっても重要なテーマになっています。今回の調査でも、社風は働きやすさや転職意向に大きく関わっていることがうかがえる結果となりました。

転職活動では、仕事内容や年収などの条件に加えて、「どのような価値観を持つ人たちと働くのか」「どのような組織文化の中で働くのか」にも目を向けることが大切です。自分が大切にしたい価値観を整理し、応募先の社風との相性を確かめることで、入社後の満足度の向上や活躍につなげられる可能性が高まるでしょう。

調査概要

【対象者】20~59歳の男女

【雇用形態】正社員

【調査方法】利用調査サービス:QiQUMO

【実施期間】2026年8月24日

【有効回答数】1,500件

※記事中の割合データは、小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%にならない場合があります

※データのご利用について:引用・転載の際は、出所が転職サービス「doda」であることを明記し、Webメディアの場合は以下のリンクを貼ってください。

・出典:社風とは?1,500人に聞いた理想の社風とミスマッチの実態

・提供元:転職サービス「doda」

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